『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ Fabric、WalmartからMeMDを買収 ”
ケア支援企業Fabric社は、企業や保険会社の顧客にバーチャル医療およびビヘイビアヘルスサービスを提供するWalmartの遠隔医療プラットフォームMeMD社を買収したと発表した。
MeMDは、サービスを通じて患者を支援するケア調整チームとともに、24時間365日オンデマンドの仮想緊急ケア、ビヘイビアヘルス、プライマリ・ケアサービスを提供する。 同社は2010年に設立され、1年後にWalmartに買収された。
Fabricは、会話型AIを使用して患者の症状を特定し、緊急ケアや仮想ケアへの誘導、プライマリケアの訪問スケジュールの支援など、最適なケア環境に患者を誘導するケア支援企業である。
同社は、仮想訪問の待ち時間を短縮するために、AIを使用してインタビューを実行し、状態固有の情報を収集、フォローアップを自動化してエンゲージメントを高めている。
この買収により、Fabricは雇用主および保険者向けのサービスを拡大し、ビヘイビアヘルス戦略を強化するとともに、臨床情報および自動化サービスをMeMDに統合する。MeMDの医療専門家はFabricのネットワークに加わる。
記事原文はこちら(『MobiHealthNews』2024年6月28日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
デジタルヘルスの活用でWalgreensやAmazonが躍進する中、Walgreensと近い戦略を取っていたWalmartが拡充してきたヘルスケアセンターをすべて閉鎖し、リアルも含めデジタルヘルスビジネスから撤退したことはご存じの方も多いことでしょう。
いまだWalmartの撤退理由や敗因について明確な発表がないため、あくまで今までの情報から想定するに、リアル店舗となるヘルスケアセンターを収益の核として考えてきたことが読み違いとなったのではないでしょうか。
そのように考えるのも、Walgreensも同じように店舗に併設するクリニックを拡大してきましたが、リアルクリニックで露見した課題をデジタルを活用することで改善してきました。必要に応じ地域によってはリアルクリニックを閉鎖し、デジタルのみの対応に切り替えるなどの対応を行ってきました。
ではデジタルであればすべてクリアか?と言えばそんなことはありません。現在の市場での困りごとを解決するのに、今、最も適していたのがデジタルヘルスの活用だったということでしょう。
その市場における困りごととは「プライマリ・ケア」です。
現在の米国で医療を受けるためにはプライマリ・ケアを入口としなければなりません。プライマリ・ケアにより医療の効率化を図ろうとしています。
しかし、プライマリ・ケアに患者が集中したことで、すぐに医療が受けられないとの弊害も発生しています。この課題を解決するのに効果的なのがデジタルヘルスの活用です。
単純にデジタルに置き換えればよいのではなく、環境、健康改題に合わせた適正な誘導もセットで行うことで、患者へのストレス軽減に繋がります。
患者がスムーズなケアを受けられるための支援を行うMeMDの取組みは、市場を見ると価値あることと思われます。
現在の市場で何が必要か?さらに何を収益源とするのか?現在米国で展開されるデジタルヘルスを活用したビジネスモデルからも見えるものは多いと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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