『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Signify Heathはサービスを拡大し、より多くの訪問客を獲得へ”
CVSの在宅医療部門であるSignify Health社は、今年330万件の在宅訪問を行う予定であり、チームはそこで止まるつもりはない。
Signify Healthの社長、Paymon Farazi氏は先月開催されたHLTH 2024 conferenceでのインタビューで、Signify Healthが「驚異的な成長」を遂げているのは、会員が「単純に体験を信じている」からだと語った。
Signify Healthは訪問診療を行っており、臨床医(通常は看護師)が患者の自宅で複数の重要な予防検査を実施することで、臨床チームがリスクを見つけやすくし、患者が重要なケアを受けやすくしている。
訪問は通常約45分間続き、こうしたやり取りの満足度は97%だという。満足度が高いということは、人々がSignify Healthとのやり取りを継続することに同意する可能性が高いということだと、Farazi氏は述べた。
患者は診察のたびに体験についてアンケート調査を受けており、Farazi氏によると、チームは現在、患者が診察をどう受け止めているかをより一般向けに知らせるために、Googleレビューの提出も求めているという。
社内およびGoogleなどのプラットフォームを通じて肯定的なフィードバックが得られたことにより、Signifyチームは「自分たちが正しいことをしているという大きな自信」を得たとFarazi氏は語った。
Signify Healthが提供する訪問回数が増えるにつれ、訪問中に提供されるテストの種類も新しい分野に拡大した。Signify Healthは、軽度認知障害の兆候を特定するデジタルテストを提供する予定であることを明らかにした。軽度認知障害は、診断されないことが多い将来の認知症の指標となる。
発表の中で、プライマリケア提供者には認知機能低下を早期に特定する時間や診断法が不足していることが多く、代わりに患者を専門医に紹介するため、治療が長引く可能性があると述べた。同社は、在宅検査を追加することでアクセスのギャップが解消され、患者をより迅速にケアにつなげることができると述べた。
Farazi氏は、データによれば65歳以上の人の20%が軽度認知障害を患っていると述べている。その内60%は自分がMCIを経験していることに気づいていない。
記事原文はこちら(『FierceHealthcare』2024年11月27日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
米国では高齢者人口が急増しており、日本と同じような課題が増加していることが今回のニュースからもわかります。
訪問診療(訪問看護)は、高齢者を中心としたデジタルだけでは補えない層に対しては有効な手段といえます。
特に認知症は本人には気づきにくく、周りの人々が早く気づいて検査に連れていくことが大切ですが、同居している家族でもいない限り、異変に気づき病院に連れて行くのは難しいでしょう。
Signify Healthは、患者が必要と思える健康課題から訪問につなぎ、病気の早期発見や予防に貢献するような検査をうまく組み込んでいます。
このように対象者に合わせ、アナログ(訪問診療)をうまく活用すれば、データを取ることができ、その後はデータを元にチームでサポート(チームのデジタル活用)することもできます。
効率化のためにすべての工程をデジタル化ありきで考えるのではなく、状況に合わせて組み込むことが望ましいと言えるでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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