『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“NTTドコモ、トレーニング支援サービス『Runtastic for docomo』の提供”
株式会社NTTドコモ(以下ドコモ)は、ランニングやサイクリングなどのトレーニング時に計測したデータを記録・管理し、お客さまのトレーニングに関する各種サポートをすることができるサービス『Runtastic for docomo』を、2014年12月から提供いたします。
『Runtastic for docomo』は、フィットネスアプリのベンダーであるRuntastic社とドコモが共同開発したサービスで、ランニングやサイクリングをはじめとしたトレーニング支援アプリ6種類が月額350円(税抜)でご利用いただけます。
スマートフォンなどの対応デバイスを身に付けてトレーニングすると、GPS位置情報などをもとに、運動時間や距離、ペース、消費カロリー、移動経路などのトレーニングデータを計測します。計測したトレーニングデータはクラウド上に蓄積され、専用のアプリケーションやWEBページから手軽に確認できるほか、詳しい分析やコーチングを受けたり、友人と活動記録を共有することができます。 さらに、楽しみながらトレーニングを継続していただけるよう、『Runtastic for docomo』オリジナルの機能として、トレーニング量に応じたドコモポイントを進呈いたします。
また、『Runtastic for docomo』は、株式会社ゴールドウインが販売するウェア型のトレーニングデータ計測用デバイス「C3fit IN-pulse(インパルス)」シリーズに対応いたします。「C3fit IN-pulse」シリーズは着用するだけで心拍数などの生体情報を取得できる機能素材『hitoe』を活用したウェア型の計測用デバイスです。
取得した心拍数データは、『hitoe』専用のトランスミッター「hitoeトランスミッター 01」とスマートフォンを連携させることでアプリに表示できます。ウェア型のため、長時間のトレーニング時の着用でも違和感やセンサーの位置のズレが少なく、正確に心拍数が計測できるので、目的に合わせた効果的なトレーニングが可能となります。
今後、「C3fit IN-pulse」シリーズ以外にも連携できるデバイスを追加するとともに、計測できるトレーニングデータの種類を拡大するなど、サービスの拡充を図ってまいります。
プレスリリースはこちら(株式会社NTTドコモ、9月30日発表)
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、NTTドコモの『Runtastic for docomo』の提供に関する記事です。
今回は、ドコモ社の「2014-2015冬春モデル 新商品・新サービス発表会」でリリースされた内容なのですが、このニュースを見てようやく日本でも本格的な連携、理想的な連携が展開され始めた、という印象を受けました。
今年1月末に発表された内容では、東レとNTTが共同で開発した生体情報の継続測定を可能にする機能素材『hitoe』を活用し、ドコモ社として2014年中を目途に、『hitoe』を利用した生体情報計測用ウェアとスマートフォンなどを活用したサービスの提供を開始する予定という内容でした。
ドコモ社が発表した『Runtastic for docomo』のサービスは、『hitoe』を利用したウェア型のトレーニングデータ計測用デバイスはスポーツメーカーのゴールドウインが販売を担当し、また連携アプリは、Runtastic社とドコモ社が共同開発し提供する枠組みになっています。
これまでのドコモ社のヘルスケアサービスの提供スタイルからすると、計測用デバイス、機器などに関してはドコモショップを通じて販売し、連携アプリに関しても自前で準備し提供するのが常套手段だったと思います。
しかし、今回は計測用デバイスに関してはスポーツメーカーが担当、連携アプリに関しても既に世界的に実績があり、人気が高いRuntasticの提供アプリをベースに提供します。
今回の計測用デバイスがウェア型であり、心拍の計測ということで、ターゲットや利用シーンをかなり明確にしたうえで、利用者視点からサービス連携の枠組みにしてきた、という印象を受けます。
これまでのドコモ社のヘルスケアサービスの提供スタイルは、どちらかというと広いターゲットに向けた提供者視点の色を強く感じていました。
しかし、今回は利用者の視点に立って、計測用デバイスの提供はターゲットの近くにいるプレイヤーに任せ、また連携アプリに関しても、既にアプリとしての実績もあり、心拍計との連携でも経験豊富で利用者に受け入れられているパートナーと連携し、ドコモ社としてはサービサーとサービサーを結び付け、利用者が本当に使いたいサービスを組み立てて提供する役割分担が成立しています。
今回のこの取り組みで、今後のドコモ社のヘルスケアサービスのビジネスモデルの方向性が見えてきた気がしています。
このような役割分担を明確にしたヘルスケアサービスは、今後は増えてくるだろうと感じてします。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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