『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“犬のキモチや健康をウエアラブルで知る”
ペットの犬や猫が今、どんな気持ちでいるのか、健康状態はどうか。動物にウエアラブルセンサーを取り付けてそれらを可視化し、人との新たなコミュニケーションを生み出す――。そんな試みに乗り出したのが、センサーやソフトウエアの開発を手掛けるAnicall(神奈川県横浜市)だ。キャッチフレーズは「すべての動物にインターネットを…Internet of Animals」。
同社は「第1回 ウェアラブル EXPO」(2015年1月14~16日、東京ビッグサイト)に、動物用ウエアラブル『つながるコル』を出展した。2014年3月に創業した同社が、第1弾製品として2015年3月に発売する。
つながるコルはBluetooth Low Energyに準拠した重さ10g弱の小型発信機(Beaconモジュール)で、犬や猫の首輪などに取り付けて使う。ID発信機能を持ち、近くを通りかかったiOS対応機器がこのIDを読み取れる。専用アプリを使えば、ペットの行動を記録したり、迷子になった場合に他者の端末で発見できたりする。販売価格は3,000円前後、ボタン電池で1年以上使用できるという。
記事原文はこちら(『日経デジタルヘルス』2015年1月21日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
ペットはいまや家族の一員として多くの家庭で飼育されています。
一般社団法人ペットフード協会の「平成25年度 全国犬・猫飼育実態調査・猫飼育実態調査 結果」のデータを見ると、犬が1,087万頭、猫が974万頭であり、総世帯数に対する飼育世帯数の割合は犬で15.8%、猫が10.1%という状況です。
日本の10%以上の世帯で犬、もしくは猫が飼育されていることから考えると、家族の一員であるペットの健康は、家族(人間)の健康と同じくらい、それ以上に関心が高いことがわかります。
このような状況を背景に、人間のヘルスケアをそのままスライドさせて犬に応用という流れで、犬や猫にもウェラブルという動きが最近は目立ってきています。
ペットの健康管理では、当然のことながらペットには健康管理という意識はまったくないので、飼い主向けとなるため飼い主が気になること、課題やニーズへのアプローチになります。
ペットの場合は人間と違って食事は基本毎日同じフードを同じ量で、環境も行動もそれほど大きな変化がないので、食事や活動記録の継続的なデータよりは、むしろ毎日の生活の中での異常や変化を早期に見つけること、見える化が重要になってきます。
そういう意味で考えると、ペットの場合には人間のような歩数や活動量のデータや食事データの見える化という健康管理というよりは、どちらかというと医療に近い領域でのケア、管理の方がペットの飼い主にとっては、安心感を得られるのかもしれません。
そのため、ペットの健康管理に真剣に取り組むのであれば、単純なペットの活動量を把握し見える化するためのウェアラブル、という人間の横展開のような安易なアプローチではなく、ペットと医療と飼い主のトライアングルの関係をしっかりと見据えて、それぞれにとってメリットがある状況を作り出すことが必要になってきます。
私個人的な考えですが、やはり当事者であるペットに負担にならないようなウェアラブル端末でペットにやさしいことが最優先されるべきだと思います。
人間が良ければペットのことは置き去りにしても良いということではなく、ペット本位のウェアラブル端末でありサービスであって欲しいと願っています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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