『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“富士通が『バイタルセンシングバンド』熱中症予防に”
富士通は、Bluetooth Low Energy通信機能や各種センサーを備えたICパッケージ「ユビキタスウェア コアモジュール」のヘルスケア・医療分野への応用事例を、「富士通フォーラム2015」(2015年5月14~15日、東京国際フォーラム)に先立って2015年5月12日に開催した報道機関向け内覧会で紹介した。病院内で医療従事者や医療機器の位置を把握できる「ロケーションバッジ/タグ」、作業者の熱中症予防などに向ける「バイタルセンシングバンド」、高齢者などの生活音をマイクで収集し、行動パターンや体調の変化を検知する「遠隔見守りステーション」などである。いずれもユビキタスウェア コアモジュールの出荷時期に合わせて、2015年12月に発売する。
ユビキタスウェア コアモジュールは、各種製品に組み込むことでセンシング情報を意味のある情報にして出力するIoT(internet of things)システムを、簡単に構築できることを訴求するもの。基本となるセンサーとして、加速度、気圧、地磁気、ジャイロ、マイクの5種類を搭載し、他のセンサーも搭載可能である。
記事原文はこちら(『日経デジタルヘルス』2015年5月12日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、ウェアラブル機器の新しい活用に関するニュースです。
Apple Watchの発売によって、スマートウォッチへの注目が集まっており、私の周囲でもApple Watchをしている人を見かけるようになってきました。
さて、ヘルスケア領域に目を向けると、これまでリストバンド型のウェアラブル端末として世界的なシェアを獲得してきたFitbitが、Apple Watchの登場でどうなっていくのか気になるところです。リストバンド型のウェアラブル端末には多くの企業が注目し、日本でも各社が製品をリリースしてきている状況で、まだまだ盛り上がっている感じです。
しかし、その盛り上がりはまだまだ提供者側だけであって、実際に使う側である利用者側ではApple Watchほど盛り上がっていない状況なのではないか、と私は感じています。そこにはいくつか理由があると思いますが、そのひとつにリストバンド型のウェアラブル端末を使う理由や出口が提供できていない部分があると思います。現状では、やはり「データの見える化」で留まっていて、その先が提供できていないことなのだと思います。
今回のニュースで紹介されている富士通が提供する『バイタルセンシングバンド』は、熱中症予防を中心とした働く人達の体調管理や危機管理に役立つ機器として、ターゲットや利用シーン、アプローチが明確です。日本でのヘルスケア領域におけるウェアラブル機器については、BtoC向けとは別に、今回の富士通の取り組みのようにBtoBtoCのモデルでの展開の可能性を強く感じています。
今回のニュースから、ウェアラブル機器が拡大していける領域は、まだまだたくさんありそうなことを実感しました。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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