『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“神戸デジタル・ラボ、デイサービス向け『デイオプションアプリ』を提供開始”
~データ連携で「連絡ノート」の課題を解決、作成時間を10分の1に~
株式会社神戸デジタル・ラボは8月下旬より、通所介護(以下、デイサービス)施設向けに、利用者家族と施設の間で使用する連絡ノートを作成できるiPad『デイオプションアプリ』の提供を開始します。当アプリは、2015年4月より販売する介護事業者向けスマートデバイスアプリ「介護サプリ」シリーズの第3弾として提供するものです。
プレスリリースはこちら(株式会社神戸デジタル・ラボ、2016年8月22日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、介護施設利用者家族と施設の間で情報を共有するアプリ提供開始に関するニュースです。
ヘルスケアサービスのなかで、比較的予防領域分野におけるサービスでは対象者自身、本人に向けたものが一般的ですが、介護分野や医療に寄った領域、分野のサービスでは、対象者本人ではなく家族向けや対象者と家族を含めた人を対象にしたサポート、サービスが求められます。
今回の介護施設向けのように、施設利用者本人よりもむしろ利用者家族と施設を繋ぐコミュニケーションであったり、うつや認知症など疾患を抱えている人を対象とした場合では、病気の理解やサポートという意味では、対象者の家族を含めたサポートの必要性が出てきます。
また今回のアプリ提供では、施設側がこれまで利用者家族向けに手書きで行なっていた作業を既存の記録の仕組みと連携させることで、介護職員の業務の効率化も含んでいます。
サービスを企画するうえで、中心になるのは対象者です。しかし、その対象者が直面している課題やニーズ、またその対象者の環境を含めて全体を見渡して、どの部分を解決していくかということになっていきます。
介護分野や医療に寄った領域、分野のサービスでは、対象者本人だけではなく家族向けや対象者と家族を含めた人を対象にしたサポート、サービスの必要性があります。その中心となるのが、「共有」、「理解」、「コミュニケーション」といったキーワードになってくると感じています。
モバイルやアプリがサービス、サポートの中心に据えるのではなく、モバイル、アプリはツール、手段であって、いかに「共有」、「理解」、「コミュニケーション」をスムーズに図れるかがポイントになってきます。
今回のアプリのような、対象者の家族や対象者と家族を含めたサービスの可能性は今後ますます拡がっていくと予想しています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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