『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“食の志向 「健康志向」が12半期連続で最多回答”
~輸入食品と比べて「割高でも国産を選ぶ」割合が6割を超える~
<平成28年度上半期消費者動向調査>
日本政策金融公庫 農林水産事業が平成 28 年7月に実施した「平成 28 年度上半期消費者動向調査」の結果、現在の食の志向は、「健康志向」が実に 12半期連続での最多回答となり、食を通じての健康志向の強さが浮き彫りとなりました。
また、輸入食品と比べて、どの価格レベルまでならば国産食品を選ぶかという価格許容度を聞いた調査では、消費者は「割高でも国産を選ぶ」割合が6割を超え、輸入食品よりも割高ではあっても、安全・おいしさなどから国産食品を優先選択する意識・意向の高さがうかがえる結果となりました。
詳細は以下のとおりです。
○ 20 代の若者、30 代よりも「経済性、簡便化より健康」の傾向
一般的に「健康志向」は高齢世代、「経済性志向」と「簡便化志向」は若齢世代に集中するという特徴が見られますが、今回の結果について、20 代に注目してみると、「健康志向」は 30 代よりも高く、逆に「経済性志向」「簡便化志向」では 30 代よりも低くなるという結果が見られました。このことから、最近では、30 代よりも 20 代の若者の方が『経済性や簡便化よりも、健康に気をつかう』傾向が高まっていることがうかがえます。
プレスリリースはこちら(日本政策金融公庫、2016年9月1日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、日本政策金融公庫が実施した「食の志向」に関する調査結果の中で、30代よりも20代のほうが、「経済性、簡便化より健康」の傾向が強いというニュースです。
最近、ヘルスケアビジネス関係者とディスカッションすると、メタボ健診手前の30代のメタボ予備軍へのアプローチの話題になります。課題としては、健康意識が低い人にどう興味を持ってもらえるのか(「健康」に対して興味があまり無い人に「健康サービスです!」といった真っ向勝負では、そもそも響かない)、また継続してもらえるサービスはどんなことが必要なのかの2点が中心です。
今回のこの調査結果の食に対する意識からも、30代の人の健康への意識が低いということがうかがえます。また、この調査結果で特に注目すべき点は、30代よりも20代のほうが、健康志向が高まっているという点です。
なぜ20代の健康志向が高まっているかということは、この調査結果からではわかりませんが、30代に向けては「健康サービスです!」といった真っ向勝負では響かないサービスが、実は20代向けではあえて「健康」をアピールしたほうが響くのかもしれません。
このあたりのターゲットによった「健康サービス」の打ち出し方など、「ヘルスプロモーション」は今後ますまず重要なテーマになってきます。
また、モバイルに慣れ親しんだ健康志向が高い20代が、今後徐々に30代へシフトしていくにつれて、現状の興味・関心の課題から、「継続利用」という課題へと移っていくことも予想されます。やはり、継続利用をいかにしてもらえるかのアプローチは、現在もこれからもヘルスケアサービスの大きなテーマであることは間違いない事実だと感じています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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