『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“「服薬支援ロボ利用者アンケート」調査結果”
クラリオンは、高齢者向けの服薬支援装置として『服薬支援ロボ』を発売しています。『服薬支援ロボ』は、クラリオンがカーエレクトロニクス技術開発で培ったCD・DVDメカニズム技術、HMI技術、ノイズ対策技術などを活用し、設定した時間になると音声案内と画面表示で服薬を告知することで、高齢者や介護を必要とする人の薬の過剰摂取や飲み忘れ、飲み間違い、誤薬防止を行う介護ロボットです。今回、服薬支援ロボ利用者を対象とするアンケート調査を行いました。以下が、その集計結果です。
調査結果サマリー
<導入後の利用者の変化>
・7割超えのユーザーが「飲み忘れ防止」の効果を実感
・服薬ロボの音声案内に対して、8割強が「自発的に薬を飲むきっかけになっている」と回答
・服薬ロボの使用で、9割超の利用者に服薬に対する意識が向上
・6割超の利用者で、生活リズムに好変化
服薬習慣を規則正しく行う事で、外出時でも夕食後の飲み忘れが改善した。
飲みすぎて入院したことがあり、その心配がなくなった。
薬の服用を楽しみにしているので良いリズムになっている。
朝ちゃんと同じ時間に起きるようになり体調がよくなった。
<導入後の服薬介助状況の変化>
・7割の家族で介助状況が向上
・導入前後の介助内容の変化-項目別割合
「薬の仕分け」 導入前70%が実施 ⇒ 導入後 0%(実施せず)※
「声掛け」 導入前70%が実施 ⇒ 導入後 30%(40ポイント減)
「薬の手渡し」 導入前20%が実施 ⇒ 導入後 0%(実施せず)
「服用の介助」 導入前10%が実施 ⇒ 導入後 0%(実施せず)
※「薬の仕分け」に関しては、今回のアンケートは、ロボ導入にて薬剤師にて薬の仕分けをしている為に導入前と導入後の変化として「仕分け」作業が変化した結果となっております。ロボ導入においては、ご家族が「薬の仕分け」をする利用方法もありますので、服薬支援ロボの運用で仕分けが作業として無くなるわけではございません。
・導入の効果-回答者全員(100%)が、効果を実感-
・服薬準備の手間の軽減を実感
・服薬介助の心理的/身体的負担の軽減を実感。
トップ項目は「薬を自ら飲んでくれること/薬を抵抗なく飲んでくれること」
プレスリリースはこちら(クラリオン株式会社、2016年9月15日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、クラリオンが提供している『服薬支援ロボ』の利用者を対象に行なった「服薬」に関する調査結果に関するニュースです。
先週開催された「CEATEC JAPAN 2016」でも、ヘルスケア関連で「ロボット」の展示があり、「AI」を含めて注目が集まっている分野のひとつです。
今回の調査結果では、「ロボット」の音声案内によって、8割強が「自発的に薬を飲むきっかけになっている」と回答し、9割超の利用者に服薬に対する意識の向上が見られた、という結果になっています。服薬管理は、単純に飲み忘れだけではなく、薬の過剰摂取や飲み間違い、誤薬など生命に関わる要素を含んでいます。継続的に正しく服薬をすることは、高齢者や介護が必要な人以外であっても、なかなか難しいことです。
そんななかで、今回の調査結果では「ロボット」を通して、「同じ時間に起きるようになり、体調が良くなった」など「服薬」から生活リズムに好変化が起きるなど、生活習慣自体の良い循環にも影響している点が挙げられていてます。
また、服薬介助者の心理的、身体的負担の軽減にもつながったということで、対象者自身の自立にも影響していることは、今回のニュースで特筆すべき点だと思います。
ヘルスケアサービスのなかで「ロボット」が活躍する場面が、今後は増えていくることが予想されます。しかし、「ロボット」を通してどんな状況を作り出すのかという視点で、人とロボットの関係性や距離感をデザインすることがポイントになると考えています。すべてがロボットにコントロールされるのではなく、あくまでも「人」が中心のヘルスケアサービスが重要です。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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