『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“自宅で手軽に受けられる「歯ぐきの健康 警戒レベル」検査サービスを開始”
唾液を採取してポストに投函するだけで自宅に結果レポートが届く郵送型検査サービス
大日本印刷株式会社(以下DNP)は、東京医科歯科大学歯学部附属病院の和泉雄一教授の監修のもと、“歯ぐきの健康 警戒レベル”検査サービス『DNPお口健康ナビ』を開始します。このサービスは、検査キットのチューブで採取した唾液とアンケート記入票を郵送するだけで、“歯ぐきの健康 警戒レベル”の検査結果のレポートと口腔ケアのガイドブックが自宅に届く郵送型検査サービスです。第一弾として、ハルメク社のカタログ通販「ハルメク 健康と暮らし」で10月10日に販売を開始します。
【サービス開始の背景】
日本の成人の約8割がかかっていると言われる歯周病は歯を失う原因の4割以上を占めています。しかし歯周病は自覚症状に乏しいため、気づかないうちに重症化し、長期間の治療や高額な医療費が必要となる場合もあります。
最近の研究では、糖尿病や心筋梗塞、動脈硬化といった生活習慣病と歯周病の関連も明らかになっています。歯周病の進行状況を把握するには、歯科医師による直接の検査が必要ですが、日本人の歯科健診受診率は低く、生活者が歯ぐきの現状を手軽に把握できる手段が求められていました。
DNPは2014年より、和泉雄一教授と共同で、自宅で手軽に歯周病の状況を把握できる新たな検査技術の開発に取り組んできました。今回、生活者自身が簡単に採取できる唾液を検体として、歯周病の原因となる唾液中の歯周病菌の数を遺伝子解析技術でカウントした結果と、生活習慣に関するアンケート結果をもとに、歯科医師が直接診断した結果と同等の“歯ぐきの健康 警戒レベル”を通知する判定ロジックを開発しました。DNPは、この判定ロジックを組み込んだ検査キットの開発およびサービスインフラの整備を行い、郵送型検査サービス『DNPお口健康ナビ』を開始します。
プレスリリースはこちら(大日本印刷株式会社、2016年10月6日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、歯ぐきの健康 警戒レベルの検査サービス『DNPお口健康ナビ』に関するニュースです。
今では生活習慣病と歯周病の関連も明らかになってきていて、「オーラルケア」、「口腔ケア」への注目も高まってきています。しかし、まだまだケア商品自体の提供が中心であって、今回のニュースのような検査、チェックについては歯科医での治療、検査が一般的でした。今回の「検査サービス」のように、これまで医療機関での検査やチェックが一般的だったことが、手軽にできるように少しずつ変わってきています。
例えば、「郵送健診」や「ワンコイン健診」などもそのひとつで、検査への敷居が低くなりつつあります。検査の敷居が低くなったことで検査する人が増えるにつれ、検査後の指導やソリューション、サービスの提供がポイントになってきます。
検査後、医療機関への受診が必要な場合には医療機関の紹介や連携が必要になります。
また、医療機関への受診まで必要がない人に向けては、予防のためのソリューション、サービスをどう提案してリレーションを継続していけるかが、ヘルスケアビジネスとしては重要になってきます。検査の時の1回だけのタッチポイントから、検査を入り口に定期的なタッチポイントとしたサービスデザインにしていけるかがポイントになります。
ヘルスケアサービスの基本の型「チェック&ソリューション」の流れである入り口(検査、チェック)から出口(ソリューションサービス)までのサービス提供が、検査ビジネスの拡がりには必要不可欠だと感じています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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