『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“お客さまへのウェアラブル端末貸与による活動データ収集の開始”
~健康応援企業としての取組み~
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社は、お客さまの健康増進を応援する企業への変革を目指し、フィットビット・ジャパン製のウェアラブル端末を一部の保険契約者さまに貸与し、健康を軸とした革新的な商品やサービス開発に資する活動データを収集する取組みを開始します。本取組みの開始にあたり、対象期間を2年間とするモニターの募集を11月7日に開始しました。
本取組みでは、当社の健康サービスブランド「リンククロス」のもと、フィットビット社製ウェアラブル端末を通じて保険契約者さまの活動データと、健康診断や人間ドックの結果等をもとに、活動データと疾病の因果関係を分析し、今後展開する健康を軸とした革新的な商品やサービスの検討・開発につなげていきます。
プレスリリースはこちら(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社、2016年11月15日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命がいよいよウェアラブル端末「Fitbit」を保険契約者に貸与した取り組みを開始するというニュースです。
今年の2月に損保ジャパン日本興亜ひまわり生命とFitbit, Incは、健康増進に向けた共同ビジネス展開の開始で合意し発表していました。発表から5ヵ月、まだモニターを募ってのスタートのようですが、いよいよ本格的にスタートします。
最近、このmHealthWatchのニュースでも取り上げることが多くなりましたが、金融、保険会社のヘルスケア分野への取り組み、モバイルを活用した展開が目立ってきているように感じています。つい先日も、SBI生命保険株式会社が保険加入者を対象に、FiNCが開発する健康管理や生活習慣改善のためのアプリケーションの提供を開始したという発表がありました。
これまでの保険会社の保険サービスにも「付帯サービス」として、電話相談などの健康サービスが加入者向けには提供されてきました。
いまの保険会社の動きでは「保険の付帯サービス」という扱いではなく、加入者の健康状態や生活習慣のデータに基づいて保険料に反映させる「インセンティブ」のアプローチが増えていす。ポイントでのインセンティブよりも、保険料への反映といった直接的なインセンティブのほうがわかりやすいのも事実です。
しかし、インセンティブの保険料への反映となると、データの正確性はもちろん、データからのリスク判断などデータへの信頼性はこれまでと比較にならないほどアップするのも事実です。まだ現時点では、データを数多く収集して元となるデータづくりの段階かもしれません。
データを集めるためには利用者に継続して使ってもらうことが不可欠です。ウェアラブル端末を貸与すれば使ってもらえる、アプリを配れば使ってくれるサービスはヘルスケアには存在しません。
やはり、継続して利用してもらう仕掛けづくりにどこまで突き詰めてサービス提供するかが、現在の保険会社の横一線取り組みから抜け出すポイントだと思います。
どこが利用者視点、顧客目線でサービス提供してくるか、楽しみです。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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