『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
============================================
“第一生命保険、 健康第一プロモート始動『健康第一』アプリの提供及びスタートキャンペーンを開始”
第一生命保険では、お客さまの「健康でありたい」という気持ちにお応えし、「健康寿命の延伸」・「QOLの向上」といった社会的要請に対して更なる貢献をすべく、“健やかに生きる、幸せになる” をコンセプトに健康第一プロモートを始動します。
本プロモートでは、2018年4月までの1年間で3段階に分けて、お客さま一人ひとりに寄り添う伴走型の「健康増進サービス」を提供、順次サービス内容を充実していきます。第一弾スタートキャンペーンでは、最先端技術の活用による生命保険事業の新たなイノベーション創出に向けて、昨年より取り組んでいる”InsTech”のヘルスケア領域から誕生したスマートフォン専用アプリ『健康第一』を無料で一般公開し、日常生活のなかでお使いいただくことで、お客さまの健康増進をサポートしていきます。
プレスリリースはこちら(第一生命保険株式会社、2017年3月21日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
============================================
『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、第一生命保険株式会社のアプリサービス提供に関してです。
この第一生命のニュースリリースと同じタイミングで、三井住友海上火災保険も「ココカラダイアリー」というスマホ向けサービスをリリースしました。
三井住友海上火災保険、ココロとカラダの健康づくりを支援するサービス「ココカラダイアリー」の提供を開始【PDF】
生保、損保を含む金融系企業がヘルスケアサービス、特にアプリを中心としたモバイルサービスの提供が多くなってきている印象です。まだまだサービスが提供され始めたばかりなので、全体像が見えていないのでなんとも言えませんが、現時点でみる限りでは機能やコンテンツは記録が中心で各社横一線という感じです。これから自社ならではの機能やビジネスとの連動などを意識した機能やコンテンツが盛り込まれてくるのだと思います。
しかし、BtoCもしくはBtoBtoCでのサービス提供どちらであっても、利用者は同じような機能のヘルスケアアプリを複数同時に使うことはしません。また、現時点では無料での提供かもしれませんが、BtoC、BtoBtoCでの個人、団体(企業)に向けて有料でのサービス提供を行なう場合には、個人、団体でもお財布はひとつなので、同じような機能のサービスに複数契約してお金を支出することは有り得ません。
これは、ヘルスケアサービスへの参入が目立つ金融系だけに限ったことではなく、ヘルスケアサービス全体の話とも言えるのです。すでにヘルスケア領域では埋もれてしまうほどのアプリ、サービスが提供されている中で、ヘルスケアアプリ、サービスをどう位置付け、どのようにビジネス展開していくのか、明確なコンセプトはもちろん、戦略を持って提供していくことが益々重要になってきていると思います。
今回、このニュースで取り上げた2社では、アプリ単独でのビジネス展開ということではなく、既存ビジネスの延長線上でのアプリ、サービスという位置付けだと思います。またアプリ、サービスの提供はBtoB向けが中心ではないかと思います。
しかし、提供がBtoBであっても、最終的には利用者に継続して使ってもらって初めて既存ビジネスへにも影響をもたらすことになると思います。そのため、サービスの明確なコンセプトはもちろん、戦略のベースには「利用者視点」が欠かせない要素であることは確かです。
今回の2社がどこまで「利用者視点」にこだわったサービスを提供していくのか、今後の展開を楽しみに見ていきたいと思います。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
Comments are closed.