『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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睡眠のプロが一人ひとりの悩みをサポート
“睡眠習慣改善サービス『スリープコーチ』の販売を開始”
帝人グループで睡眠関連事業を展開している株式会社ねむログは、5 月 31 日より、睡眠のプロによるオーダーメイドのコーチングで睡眠習慣の改善を促すウェブサービス『スリープコーチ』を月間 50 名限定で発売します。
『スリープコーチ』は、帝人グループでIT事業を担う
インフォコムが主催するITヘルスケア領域のビジネスプランコンテストで優勝した 土井貴仁氏と共同で開発したプログラムです。
日本睡眠学会認定医の甫母瑞枝医師が監修した動画による学習と、睡眠健康指導士などの資格を持つコーチとのチャットを活用したコーチングシステムにより、睡眠に関する悩みを解消します。
利用者は、毎日、睡眠記録をもとにした個別アドバイスを受けられるだけでなく、好きな時間にコーチに睡眠に関する悩みを相談することができます。チャットを通じた双方向のコミュニケーションにより、コーチが利用者の状態や生活習慣を詳細に把握することができるため、一人ひとりに最適なオーダーメイドのサポートを提供することが可能です。
プレスリリースはこちら(株式会社ねむログ、2017年4月27日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、睡眠習慣改善のためのコーチングサービスに関してです。
寝ている間の状態は自分で把握するのは難しいので、「睡眠の見える化」のニーズは高いです。また、「睡眠」に対する悩みや課題を多くの人が感じているため、睡眠向けアプリはヘルスケアのカテゴリーの中でも人気が高いです。
しかし、これまでは「睡眠の見える化」のニーズには対応していましたが、その先の改善に向けたソリューション提案まで踏み込んでいるサプリやサービスは少なかったのが現状です。
また「睡眠」の改善に向けたアプローチ、ソリューションは、環境はもちろん寝具、アロマ、音楽などなど多岐に渡るため、なかなかアプリだけで完結するのは難しいことから、「睡眠の見える化」までに留まっていた理由のひとつだと思われます。
しかし、今回の『スリープコーチ』では、睡眠のプロである睡眠健康指導士などの資格を持つコーチが、データを見ながら一人ひとり合った睡眠改善のサポートをすることで、多岐に渡るアプローチやソリューションへも対応が可能になります。
また、これまでの「睡眠の見える化」では、データの見方やデータから課題を見つけるのは利用者自身に委ねていた部分が大きかったと思いますが、今回の『スリープコーチ』では睡眠健康指導士などの資格を持つ専門家がデータを確認してくれるので、一人ひとりの睡眠データをもとにパーソナルな改善ポイントを見つけ出すことが可能になります。
『スリープコーチ』のサービスは、当初は月間 50 名限定(随時拡大予定)からのスタートのようです。今回のサービスは、チャットを活用したコーチングシステムということで、サポートする側である睡眠健康指導士などは、睡眠の専門性とは別にオンラインでのコミュニケーションのスキル、能力が必要になってくると思われます。
ウェブおよびアプリのサービスの中に専門家が入ってサポートするコーチングサービスは、今後益々増加していくと思いますが、そこには、専門家のオンラインコミュニケーションのスキルの向上、教育も必要になっていきます。
人がサポートしていくサービスでは、対応する「専門家=人」をどう増やしていけるかが、ビジネスの拡大に直結していきます。
今回の『スリープコーチ』もオンラインコミュニケーションのスキルを持った睡眠の専門家をどう確保できるかが、現時点の月間 50 名限定から拡大していけるかの鍵になってくると思います。
ウェブおよびアプリのサービスで専門家がサポートするサービスでは、コミュケーションの教育とセットで考えて行く必要があると考えています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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