『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「
今回注目したニュースはこちら!
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“「健康への気づき」を促す空間デザイン・プログラムの実現と効果検証の実施”
千葉大学予防医学センターは、イオンモール、竹中工務店と協働し、ゼロ次予防(注1)の視点を活かした「健康への気づきを促す空間デザイン・プログラムをイオンモール宮崎に実現し、その効果検証を実施しました。
日常生活のなかで「健康への気づき」を得ることにより、健康維持・増進のための行動を促すことが目的で、実施プログラムの効果検証によるフィードバックを今後の計画に活かし、健康長寿社会の実現に貢献します。
注1:疾病につながる社会経済的、環境的、行動的要因を予防すること。
●「健康への気づき」を促す空間デザイン・プログラムの実現
どのプログラムも自由に利用できます。また、利用を通して「健康への気づき」が
得られるよう様々な⼯夫を施しました。
• ステップウォーキング 歩幅をチェックするプログラム
床面に描かれた年代別、身長別の歩幅ラインと、利用者自身の歩幅を比べるこ
とにより、楽しみながら「健康への気づき」を得られます。
• クライムウォーキング 記憶や想像力にはたらきかけるプログラム
身体活動の増加に寄与する屋内階段の利用を促すため、階段に上りたくなる
工夫として、効果音や童謡から記憶を呼び起こすプログラムを盛り込んでいます。
• バランスウォーキング 歩く速度や姿勢をチェックするプログラム
歩行年齢測定システムを体験することで、自分の歩行年齢がわかります。速度、
姿勢、バランスなど、自分の歩行状態を知ることで、「健康への気づき」につなげます。
プレスリリースはこちら(国立大学法人千葉大学、2018年8月02日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、「健康への気づき」促す空間デザイン・プログラムに関するニュースです。
「健康」というキーワードへの興味、関心は確実に高まっています。テレビ番組でも「健康」や「病気」などをテーマにした内容が多く放送されるのも、関心の高さを物語っています。
では、なぜこれほど「健康」への興味、関心が高まっているのに、今回のニュースのような「健康への気づき」を促す仕掛け、仕組みが必要なのでしょうか?
そこには、「健康」というテーマには興味を示すが、実際にはその健康を「自分ごと」として捉えているかというと、そこには大きな開きがあるのではないかと感じています。
例えば、これほどテレビ、雑誌等で「健康」や「病気」に関しての特集が組まれて毎日のように触れる機会が多いのに、特定健康診査の実施率が50%程度を推移していたり、健康診断結果に異常を認め、医師による治療または検査・生活指導が必要と判断された場合でもそのまま放っておく人が存在するなど、実際の「健康行動」に結びついていないことなどからも想像できます。
健康診断や健康診断後の受診などは、健康を通り越して「病気」につながっているにも関わらずこの状況なので、健康、それも予防的な領域での健康の「自分ごと化」や「健康行動」には大きな壁が存在していると言えます。
今回のニュースのような、「情報」から一歩先の「体験して気づき」を促す仕掛けは、健康を「自分ごと」として捉える良いきっかけになるような気がしています。
それも、「健康」「病気」ど真ん中のアプローチではなく、ちょっとしたチェック、ゲームといった切り口からのアプローチが予防的な領域での健康、それも「健康」を身近に捉えていない人達には必要なアプローチだと思います。
もっともっと身近な公園や歩道、駅などちょっとした場所に「健康への気づき」促す空間デザイン・プログラムが広がっていくことを期待したいです。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、
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