『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「
今回注目したニュースはこちら!
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“美容系スタートアップへの投資、活発化”
世界ではヘルスケア系スタートアップへの投資熱が高まっている。特に「ヘルステック」「フェムテック」「ライフサイエンス」などは注目領域だが、美容系スタートアップにも投資家の注目が集まる。日本経済新聞によると、2018年の美容・パーソナルケア分野のスタートアップの資金調達額は前年比127%増の18億ドルで過去最高を記録したとのこと。
国内ではフローフシ社、I-ne社といった新興企業によるヒット商品が次々に登場。韓国ではコスメブランド「Stimmung」が瞬く間に大ヒットし、今年10月に日本に初上陸を果たしている。「ビューティテック」のトレンドも後押しし、美容系スタートアップは今後国内、海外でさらに増えていきそうだ。
記事原文はこちら(『ウーマンズラボ』2019年11月15日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、美容系スタートアップへの投資が活発化してきているニュースです。
ヘルスケアと美容は、市場的に背中合わせの存在のように私はみています。領域的に重なっている部分も多く、特に「ダイエット」に関しては、ヘルスケアと美容は明確に区別できない、入り混じった状況になっています。
「ダイエット」をテーマにした場合、ヘルスケアでの打ち出しよりも美容への打ち出しの方が、消費者の購買意欲が高まり、費用的な側面でも美容系のサービス単価の方が高まる傾向だと言えると思います。
はたしてこの違いはなんなんでしょうか?
やはり、消費者はダイエットの最終的なゴールに価値を感じて、その価値に対してお金を払うことから、美容系のほうが提供価値が高く、その価値を受け入れられやすいのだと思うのです。
「健康のためにダイエットする」と「キレイになるためにダイエットする」では、ダイエット自体は同じとしても、やはり最終的なゴールが全く違うものなのです。
マズローの5段階欲求説では、「健康」とは下から2番目の「安全欲求」に位置付けられ「欠乏欲求」の一つなのです。そのため「健康のためにダイエットする」といったヘルスケア視点での提供価値では、欲求として「無いもの(健康)を補う」というマイナスを0地点に戻すという価値になるのです。
逆に、「キレイになるためにダイエットする」という提供価値では、「キレイになる」といった「自己実現への欲求」にアプローチするわけで、プラスの価値として位置付けられるのです。
この欲求の違い、目的の違いこそが、ヘルスケアと美容では費用にも表れてくるのです。
しかし、ヘルスケアであっても提供価値を「健康」に据えるのではなく、ゴール、目的を健康の先にある自己実現に位置付けことで、美容のアプローチと同様な価値に転換が可能になります。
ヘルスケア領域の中でだけで考えると、費用についても競合との比較となってしまいますが、「美容」の領域を見据えて、提供価値、費用を検討してみると、競合自体が変化してくるので、よりサービスの幅が拡がる可能性が出てくるのです。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、
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