『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“献立自動生成アプリ統合のお知らせ
~食の好み分析に基づくデータサービス事業を推進~”
ニチレイは、2021年8月31日にミーニューの全株式を取得しました。これに伴い2021年11月1日より、ニチレイが運営する献立自動生成アプリ「conomeal kichen(このみる きっちん)」を、ミーニューが運営する献立自動生成アプリ「me:new(ミーニュー)」と統合することとし、食の好み分析に基づくデータサービス事業を推進してまいります。
働き方の変化や女性の活躍、超高齢社会の進展などにより、家庭内における食事の準備にかける時間は短縮したいという生活者ニーズが高まっております。一方で、栄養バランスや食物アレルギーなど健康に配慮した食事を摂りたいというニーズも高まってきており、多くの生活者が日々の献立作りに苦労されております。
これらの課題解決に寄与するため、ニチレイは新規事業のひとつとして、ユーザーの食の好みに基づく献立自動生成・提案スマートフォンアプリ「conomeal kitchen」を2020年11月から提供開始いたしました。ユーザーは献立作りに悩まされることがなくなり、献立に基づく計画的・効率的な買い物や調理により家事負担を軽減しながら洗練されたレシピの食事を楽しむことができます。
一方、「me:new」も献立を自動生成するアプリで、2014年1月よりサービス提供しております。両アプリには、①AI(人工知能)によりユーザーの食の好みを分析する点、②主食・主菜・副菜などで構成される献立を提案する点、③単日ではなく複数日(me:newでは最長1週間)まとめて提案する点など、多くの共通項がありました。
ニチレイが食の好みに基づく献立提案サービスを強化するためには、サービス開始を先行し多くの知見と共通項を有する「me:new」との連携が最適と考え、両者を統合することにいたしました。今回の統合により、「conomeal kitchen」は2021年10月末をもってサービスを終了し、「me:new」を継続サービスといたします。
ニチレイは、美味しさと簡便性をあわせ持つ冷凍食品や、食のインフラである低温物流サービスなどを通じた価値提供を行っています。今後、食のニーズはますます多様化し、パーソナライズ化の進展が見込まれるなか、ニチレイおよびミーニューは商品や物流サービスによる価値提供を強化していくことはもちろんのこと、食の好みやおいしさの研究に基づくデータサービス事業という新たな価値提供にも積極的に取り組んでまいります。
プレスリリースはこちら(株式会社ニチレイ 2021年8月31日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、ニチレイが提供している献立自動生成・提案スマートフォンアプリ「conomeal kitchen」とミーニューが運営する献立自動生成アプリ「me:new」の統合に関するニュースです。
ニチレイが提供する「conomeal kitchen」とミーニューが運営する「me:new」は、献立の自動提案アプリとしては、競合という関係だったと思います。
献立は毎日、毎食、悩まれている方が多く、献立の自動提案のサービスは、悩みの解決としてニーズが高いと思われます。
しかし、この献立の自動提案のサービスには、パーソナライズ提案が必須項目で、このパーソナライズで求められる要素としては、食材はもちろん、食の好み、健康要素、計画性などなど、パーソナライズ要素としてはハードルが高いと言えます。
また、上記のパーソナライズ要素に加えて、直前の食事の内容や季節的な面、そして家族構成、その時の気分などの要素も絡んでくるため、提案された献立がフィットするかしないかというと、さらにハードルが高くなってきます。
やはり、提案する献立がフィットするかしないかといった部分は、AI(人工知能)に多くのデータを学習させて、より精度を高めていくことが必要です。
そのためにも、今回の2つの献立自動生成アプリの統合で、両社の強みである分野と両社が持つデータを組み合わせて、よりパーソナライズの精度を高めていくことになるのではないかと思います。
競合だったアプリの統合は、利用者にとってはより良いサービスに進化していくのでメリットが多いのも事実です。
そのためにも、単純な足し算のような統合ではなく、より精度を高めたり、提案力をアップさせるなど、統合による使い勝手の良いサービスに進化してくことが重要です。
今回の統合で、どのように2つのアプリの良さが活かされるのかが楽しみです。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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