『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“個別のアドバイスで健康管理をサポート 『睡眠改善プログラム™』を開発”
当社は睡眠状態を把握し“眠りの自動運転”を行う電動ベッド「Active Sleep BED(アクティブ スリープ ベッド)」の専用アプリ向けに 『睡眠改善プログラム™』を開発しました。本プログラムは、睡眠状態からユーザー別の課題に合わせたアドバイスを提示し、改善のための行動変容を促すことで健康管理をサポートします。
「Active Sleep BED」は「入眠時」「起床時」それぞれの睡眠状態に合わせて角度が自動で変化する電動ベッドです。専用アプリでは、ベッドの角度操作だけでなく、呼吸、心拍などの体動を検知するセンサー「Active Sleep ANALYZER」で睡眠状態を把握し、毎日の睡眠時間、寝つき時間などの指標を分析し、睡眠スコアを表示します。これまでも、スコアと一緒にユーザーの睡眠状態を説明するコメントは提示されていましたが、この度開発されたプログラムにより、ユーザーごとの睡眠課題に合わせたアドバイスまで行います。
本プログラムでは、前週の睡眠と生活リズムのデータからユーザー別の課題に合わせて、改善のためのアドバイスを提示します。アドバイスには、「Active Sleep BED」の活用方法(入眠時の背角度の調整など)や夜間の睡眠に影響を与えないような生活習慣に関する内容(夕食後のカフェインを控える、就寝前に排尿するなど)があります。ユーザーは週3回以上行えるアドバイスを選び、1週間実施します。週ごとに前週の睡眠データを基にしたアドバイスが提示され、4週間継続します。プログラム終了後、実施前後を比較したレポートで、睡眠データの改善状況を把握します。ユーザーは睡眠に関する悩みをプログラム実施前後に回答することで、客観的なデータ分析だけでなく、改善した悩みについても確認できます。睡眠への意識を高め行動変容を促し、健康管理をサポートします。(プログラム詳細は別紙参照)。今後は、蓄積したデータを活用し、ユーザーの属性やベッド機能の使用履歴などの情報と合わせた提案ができるようプログラムを強化していきます。
プレスリリースはこちら(パラマウントベッド株式会社 2022年9月1日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、睡眠と生活リズムのデータからユーザー別の課題に合わせて、改善のためのアドバイスを行うプログラムをベッドメーカーのパラマウントベッド社が開発したというニュースです。
これまでにも、パラマウントベッドでは、睡眠状態に合わせてベッドの角度が自動で変化する電動ベッドと連動した専用アプリを提供し、睡眠時の呼吸、心拍などの体動などから睡眠状態を把握し、毎日の睡眠時間、寝つき時間などの指標を分析する、睡眠の見える化までは提供していました。
今回開発した 『睡眠改善プログラム™』では、睡眠状態の見える化から一歩踏み込んで、利用者ごとの睡眠の課題に対してのアドバイスを行います。
また、睡眠の課題については、睡眠の結果データ(センサーによるデータ)だけではなく、利用者の生活習慣の問診を加味してアドバイスを提示しています。
睡眠の課題については、ベッドや寝具だけでは解決しない要素が多く、やはり生活習慣が大きく関係していることから、改善に向けたアドバイスでは、利用者のライフスタイルを加味して、そのヒアリングも含めて改善行動をアドバイスする内容のようです。
この利用者のライフスタイルをヒアリングすることは、睡眠の課題を抽出することはもちろんですが、利用者に対するパーソナライズな提示につながるため、アドバイス自体の納得性が増すことにつながるのです。
さらに、今回開発した 『睡眠改善プログラム™』では、1週間ごと4週間ごとの振り返りの機会を設けて、成果も含めたPDCAのサイクルが回っているようです。
これまで、睡眠関連のアプリやサービスでは、睡眠の状態の見える化が中心で、改善に向けたプログラム、サービスの提供まで踏み込んでいるものは少なかったと思います。
また、睡眠の改善に向けたプログラム、サービスの提供であっても、自社の商品に関連した内容の提示までで、本当の意味での良い睡眠に向けた生活習慣を含めた行動変容にアプローチしているプログラム、サービスは少なかったです。
ベッドメーカーとして良い睡眠に向けてベッド、寝具だけではなく、生活習慣も含めた本当の意味での良い睡眠を手に入れるための『睡眠改善プログラム™』は、ヘルスケアサービスの成功の型の一つである「チェック&ソリューション」の基本的なアプローチになっていることを今回のニュースを見て、あらためて感じました。
ベッドを基点とした『睡眠改善プログラム™』の今後の拡がりが楽しみです。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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