『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“調査:一人暮らしは健康リスクが高いライフスタイル。78%が自分の食生活は「健康的でない」と回答 ”
《一人暮らしをする20~40代の男女1,000人に食生活に関するアンケート調査を実施》
一人ひとりのカラダと「こうなりたい」に必要な栄養を届けるパーソナライズサプリ「Suppleno(サプリノ)」を提供する Suppleno社は、一人暮らしをしている 20~49 歳の男女 1,000 人にアンケートを行い、食生活の課題を探りました。
<TOPICS>
●「朝食の欠食率」「外食・中食の多さ」で一人暮らしと一般世帯では 2 倍以上の差。
●同じものばかりで栄養が偏りがちな食生活。一人暮らしが長いほど食習慣は悪化傾向。
●全体の 78%が健康的な食生活が「できていない」。
【調査概要】
■「一人暮らしの食生活に関する調査」
調査期間:2023 年 1 月 26 日~1 月 29 日
対象:全国の 20~49 歳の一人暮らしをする男女(N=1,095)
調査方法:インターネット調査
■ 調査の背景
サプリノでは、生活習慣やなりたい姿から最適なサプリを提案するサプリ診断ツール「ライフケア分析」で集まるデータから、ライフスタイルと健康課題には様々な関連性があることを掴んでいます。
その中でも特に、「一人暮らし」をする人はそうでない人と比べて、朝食の欠食率は 1.5 倍、”ほぼ毎日”昼食・夕食の 2 食共に外食か中食で済ませる人は 4.5 倍と、食生活に大きな課題があることが分かりました。
そこでその背景を探るため、一人暮らしの方に食生活についてのアンケート調査を行いました。
<一人暮らしの食生活に関するアンケート調査結果>
食生活は同じものばかりで栄養バランスが偏りがち。一人暮らしが長いほど食習慣は悪化傾向
自分の食生活にあてはまることの上位は「同じものを食べがち」なことによる、野菜不足や栄養の偏りでした。また一人暮らし歴 1 年未満の人と 3 年以上の人を比べると、「買って食べることが多い」人は 3 倍、「料理をあまりしない」人は 2.7倍の差があり、一人暮らしが長いほど栄養が偏りやすい食習慣になっていくことが見て取れます。
全体の 78%が、健康的な食生活が「できていない」ことを自覚
自分の食生活は「健康的でない」と考える人が圧倒的に多く、全体の 78%を占めました。またその理由としては、「料理が面倒・お金がない・時間がない」と、多忙な生活の中で自分のための料理にコストをかけにくい実態が浮き彫りになりました。
「健康的な食生活ができていない」ことの対策は「何もできていない」が 1 位
「健康的な食生活ができていない」ことの対策としては「特に何もできていない」人が 26%と最も多くなっています。一方で、それ以外の対策については一人暮らし歴が長くなるほどポイントが高くなる傾向があり、「何かしなくては」という意識も一人暮らしを続けるほどに強くなっていくことが分かりました。
一人暮らしをする人の実に 8 割が自分の食生活を「健康的でない」と考えており、対策を全く打てていない人も 3 割近くに上りました。実際に、料理をあまりせず、外食が多く、同じものを繰り返し食べるという傾向が顕著で、一人暮らしは栄養の偏りが常態化しやすく、健康を害するリスクが高いライフスタイルであることが分かりました。
プレスリリースはこちら(株式会社 Suppleno 2023年2月15日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、一人暮らしは健康リスクが高いライフスタイルを送っている傾向が強いという調査結果に関するニュースです。
今回のニュースの、一人暮らしの人は、朝食を欠食して外食・中食の利用が多く、結果的に栄養が偏りがちというには、一般的に言われてきたことです。
今回のニュースの調査では、対象が20~49歳でしたが、高齢者の一人暮らしでも、栄養の偏りから低栄養やフレイルなどの課題も見えてきています。
たしかに、一人暮らしだと料理が面倒だったり、外食、中食の利用頻度が高くなったりといったことで、結果的に栄養が偏るというのが傾向的に高いと思います。
しかし、栄養が偏るのは一人暮らしだからということだけではない、なにか本質的な課題が隠れているような気がしています。
それは、やはり「ヘルスリテラシー」が低いことが関係していそうな気がしてなりません。
一人暮らしの人が「ヘルスリテラシー」が低いということではなく、「ヘルスリテラシー」を学ぶこと、機会がなかったことが、根本的な原因ではないかと考えています。
朝食の欠食についても、一人暮らしでなくても、比較的多くの人がしていることが多いです。
これまで「ヘルスリテラシー」を学ぶ機会は学校でも社会に出てからも無いため、「ヘルスリテラシー」がベースになるのではなく生活習慣も楽な方を選択しがちなのです。
しかし、「ヘルスリテラシー」がベースにあって、そのリテラシーが高まれば、ライフスタイルの中でも「ヘルスリテラシー」を使った選択ができるようになるはずなのです。
だからこそ、「ヘルスリテラシー」をしっかりと学ぶ機会、触れる機会を小さい頃から設定する必要があるのではと強く感じています。
また、企業においては、新入社員研修や定期的な研修やOJTの中にも「ヘルスリテラシー」に向けたテーマを入れ込むことにより、「ヘルスリテラシー」を使いこなせる、正しい選択に役立てることにつながるのです。
今回のニュースを見て、生活スタイルの違いによる健康格差を埋めるには、「ヘルスリテラシー」が必要があり、また「ヘルスリテラシー」は使いこなせないと意味がないということをあらためて感じました。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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