『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Beverich、飲酒記録LINEアプリをリリース ”
ノンアルビールなどの専門通販・ECサイト「Beverich(ビバリッチ)」を運営するBeverichは、飲酒記録が簡単にできるLINEアプリをリリースいたしました。
■リリース背景
国税庁の報告によると、1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上の飲酒は生活習慣病のリスクを高めるとされています。このような危険な飲酒の習慣を持つ人は、平成28年度の国民健康・栄養調査では男性の14.6%、女性の9.1%に認められ、男女とも40〜50代に最も割合が多い結果となっております。
成人1人当たりの酒類消費量は平成4年をピークとして平成28年度には8割程度に減少しており、全体的にアルコールの消費量は減少傾向にある一方で、平成1年と平成28年で消費酒類を比較すると、ビールや日本酒が減少し、チューハイやいわゆる第3のビールに消費が移行しています。特に最近は「ストロング系」と呼ばれる9%のチューハイ(500ml缶1本で36gのアルコールを含有)が増えており、危険な量の飲酒に容易に到達するため、健康上の影響が強く懸念されます。
そこで、危険な飲酒量に到達しないよう、日々の飲酒管理を簡単に行えるLINEアプリの開発に至りました。記録することで飲み過ぎを意識でき、データを参照しながら飲酒量を減らしていくことができます。また、LINEで簡単に記録することができるため記録のし忘れを防ぎ、ゲーム感覚で楽しみながら継続することができます。
■飲酒記録LINEアプリ
飲酒記録を簡単に記録できるLINEアプリです。日々の飲酒量を簡単に記録し、飲酒した日や飲酒量をデータで簡単に確認することができます。また、毎日LINEに通知が来るため、記録忘れを防ぎます。
プレスリリースはこちら(Beverich株式会社 2023年5月23日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、飲酒記録が簡単にできるLINEアプリのニュースです。
私は、晩酌の習慣があり、飲酒の記録としては、食事記録のアプリの中で食事の一環として記録をしています。
そのため、飲酒についてはアルコール量や飲み過ぎという観点ではなく、あくまでも食事としての摂取カロリー、栄養成分の一部として見ています。
今回のニュースを見て、あらためてアルコール、飲酒量という視点は、自身の感覚的な側面で把握しているだけで、データとしては気にしていないことに気づかされました。
本来、飲酒はいろいろな疾患にも少なからず影響していることから、アルコール量、飲酒量の把握は必要な要素です。
例えば、尿酸値のデータが高い人や肝臓の数値が高い人などは、やはりアルコール量、飲酒量は気にする必要が出てきます。
そんな時に、今回のニュースのような飲酒の記録が簡単にできて、飲酒のデータが見える化できると、これまで漠然と主観的に把握していただけの飲酒を客観的にデータとして把握できるので、飲酒のコントロールに役立てる可能性が出てくるのです。
今回のアプリでは、休肝日、飲み過ぎた日がカレンダーで見える化されるようです。
今後のこのような飲酒の記録だけではなく、ノンアルコール飲料との組み合わせた飲酒、摂取プログラムのサービスや、休肝日を作るためのアドバイス、またまた休肝日の人だけのSNSなどなど、休肝日や飲み過ぎを防ぐためのサービスやプログラム、またまた商品と組み合わせることで、飲酒記録から発展した展開、サービスの可能性も考えられます。
今回の飲酒に特化した記録サービスのように、まだまだ小さな行動、習慣だけど、健康にとって必要な行動、習慣が見過ごされているような気がしています。
行動、習慣の記録の細分化はまだまだ有りそうな予感を今回のニュースを見てあらためて感じました。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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