『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“西川が今年も1万人の睡眠実態を大調査
『西川 睡眠白書 2023』を9月3日「秋の睡眠の日」に発表 ”
不眠症の疑いが高い人が全体の51.9% と、ここ数年悪化傾向 ダイエットや女性特有症状と睡眠の関係についても調査
西川では、社内研究機関である「日本睡眠科学研究所」監修のもと、1万人の睡眠実態を追った『西川 睡眠白書 2023』を9月3日(日)の「秋の睡眠の日」にホームページで公開します。 『西川 睡眠白書』は2018年より毎年発表し、今年で6年目となります。今年は、美容・健康と睡眠の関係についてより掘り下げ、ダイエットや女性特有の症状(更年期症状・月経前症候群)にフォーカスした調査も実施しました。
『西川 睡眠白書 2023』全文公開
<調査結果トピックス>
◎ 睡眠の基本調査
国際基準「アテネ不眠尺度」では51.9%が「不眠症の疑いが高い」 の結果に。 睡眠満足度は、約7割が自分の睡眠の質に何らかの不満を持つ。いずれもここ数年、数ポイントずつ増加傾向にある。
◎ ダイエット・肥満予防と睡眠に関する調査
睡眠が体型維持に影響している?体型に悩みがある人ほど眠れていない結果に。 体型に悩みがある人の平日の睡眠時間は7時間未満が44%と、全く悩んでいない人の28.4%に比べて大きな差があり、体型に悩んでいる人ほど睡眠時間が短くなる傾向がみられた。
◎ 月経前症候群(PMS)と睡眠に関する調査
睡眠とPMS症状の関係は?症状がある人ほど睡眠満足度が低い結果に。 症状なしの人は約4割が睡眠に満足していると回答。対して、症状ありの人は2割と大きな差がみられた。
■ 日本睡眠科学研究所の総評
当研究所では2018年から毎年、「日本人の睡眠実態」について、幅広い年代・職種の方1万人を対象に、大規模な調査・分析を行い、秋の睡眠の日・9月3日に合わせて結果を発表しています。
今回の調査では、昨年よりもさらに、睡眠時間の不足や睡眠時間満足度、不眠の度合い、睡眠の質が悪化した結果となりました。20〜30代の世代でもその傾向が強く、働き盛りの世代・子育て世代の睡眠改善の必要性がうかがえました。 美容・健康と睡眠の関係については、美容や体型に関心がある人は、その改善に睡眠が効果的と考えています。
しかし、実際には食事やスキンケアに比べて、睡眠についての意識は高くなく、睡眠の質にも不満を感じている様子がみられました。また、更年期症状やPMSの症状について、睡眠をとることで症状を改善しようとする人は少ないものの、よい睡眠のあとで症状が改善した・軽くなったと感じた人が一定数いることが明らかになりました。
コロナ明けの風潮もあるなかで、引き続き心身ストレスや活動量を考慮して睡眠の質を上げる必要があると考えます。今回の調査・分析をご覧になり、睡眠を通して健康を実現する糸口を見つける一助になれば幸いです。
プレスリリースはこちら(西川株式会社 2023年9月1日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、寝具を取り扱う西川が実施した睡眠に関する調査結果のニュースです。
今回の調査では、美容・健康と睡眠の関係について深掘りしており、この美容・健康と睡眠との関係について、興味深ったので注目してみました。
体型の悩みの度合い別の平日の睡眠時間についての結果ですが、体型に悩みがある人の平日の睡眠時間が7時間未満が44%に対して、体型に全く悩んでいない人の平日の睡眠時間が7時間未満は28.4%と、体型の悩みの度合いが高い人ほど睡眠時間が短くなる傾向が高いという結果でした。
睡眠と肥満や食事との関係として、睡眠が不足すると、食欲のコントロールを行うホルモンのバランスが崩れて、過食に繋がる可能性があると言われています。
しかし、ダイエットプログラムやサービスで、「睡眠」に直接アプローチしたり、睡眠の改善に向けたアプローチを取り入れているものは、それほど多くない印象です。
ダイエットプログラムやサービスと言えば、食事や運動といったアプローチが中心になるのは当然ですが、ダイエットや肥満については、生活習慣が大きく関係していることから、食事内容や食事のタイミングを変えたりするには、他の生活習慣との関係性を含めた改善、変更が当然必要になってきます。
また、運動については尚更で、それまでの生活習慣に運動習慣を新たに組み込むには、生活習慣全体からのアプローチが必要になってきます。
このように生活習慣全体の観点から見ると、肥満、ダイエットに向けた取り組みだけではなく、睡眠も大きく関連していて、切っても切り離せないものなのです。
睡眠の専門家に睡眠の改善のポイントについて聞いたことがあるのですが、生活の中でのタイムマネジメントの重要性を挙げていました。
具体的には、睡眠時間を確保するためには、仕事や家事を効率良く行ったり、生活習慣の順番を入れ替えるなどのアプローチが必要になるということです。
そう考えると、仕事や家事を効率よくこなして夕食の時間を早めて就寝時間を早めることで、起床時間が早まり、起床時の空腹感も得られて、朝から代謝アップが期待できるなどといった感じで、睡眠からの肥満、ダイエットに向けた具体的なアプローチになっていくのです。
睡眠と肥満とダイエットは関連しており、その背景には睡眠が不足すると、食欲のコントロールを行うホルモンのバランスが崩れて、過食に繋がる可能性があるということなので、睡眠からの減量、ダイエットへの直接的なアプローチやプログラムも可能なのではないかと感じています。
睡眠からのアプローチであれば、肥満の改善やダイエットの成功の他に、多くの人が課題を感じている「不眠」の改善にもつながるため、満足度の高いアプローチになり得るのではないかと考えています。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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