『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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【30代~70代に聞いた、高血圧に対する意識と行動に関する調査】健康診断などで35%の人が「血圧が高め」と指摘あり。そのうち85%の人が改善行動を実施。 ”
オムロン ヘルスケアは、30代~70代1万人の男女を対象に高血圧に対する意識と行動に関する調査を実施しました。
秋の健康診断シーズンも終わり、これから気温が下がる冬場にかけては、血圧の季節変動などにより血圧が上がりやすい季節でもあります。本調査では、健康に関する不安や健康診断などでの指摘および指摘後の改善行動に関して質問しました。
本調査の結果では、健康に不安を感じている人は約8割(79.9%)にのぼりました。また、健康診断や人間ドックで3人に1人が「血圧が高め」と指摘されており、指摘後85%の人が何らかの改善行動をとっていることがわかりました。一方で、「何も実施していない」と回答した人は15%で2017年に実施した調査結果(15.3%)と比較して大きくは変化していませんでした。また、本調査の結果に関して、公益財団法人日本心臓財団理事長の矢﨑義雄先生にコメントをいただきました。
調査結果のまとめ
1、約8割の人が健康に関する不安あり。不安を感じている病気や症状の第一位はガン、第二位が高血圧、第三位が肥満・メタボリックシンドローム。
2、3人に1人が健康診断や人間ドックで「血圧が高め」との指摘あり。前回の調査(2017年)と比較して3ポイント増加。
3、「血圧が高め」と言われた2人に1人が「医師の診察を受けた」と回答。血圧を下げる薬を飲んでいる人は前回から7.6ポイント増加。一方で、「何もしていない」人は前回同等の15%。
4、「血圧が高め」で定期的に血圧を測定している人は47.1%。前回(42.4%)から4.6ポイント増加。一方で、血圧計を持っていない人は約2割で変わらず。
5、血圧を定期的に測って良かったことは「その日の自分のからだの状態を確認でき、行動に反映できる」。一方で、測らない理由の第一位は「面倒だから」。
プレスリリースはこちら(オムロン ヘルスケア株式会社 2023年11月04日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、血圧計メーカーであるオムロンヘルスケア社が実施した高血圧に対する意識と行動に関する調査結果です。
今回の調査結果では、2017年に実施した調査との比較で、意識と行動の変化もレポートされています。
3人に1人が健康診断や人間ドックで「血圧が高め」との指摘されており、2017年の調査結果と比較しても「血圧が高め」と言われた人が増えている状況です。
しかし、健康診断や人間ドックで「血圧が高め」との指摘された人でも、2人に1人しか医師の診察を受けていない状況のようです。
以前、私が産業医の先生と会話した際お聞きしたのは、健康診断や人間ドックで「血圧が高め」と指摘されても3割程度しか医師の診察を受けていないと言われていたので、医師への受診の割合は最近高まっているのかもしれません。
医師に受診する人が増加していることが、血圧を測定している人や降圧剤を服用している人の割合が2017年の調査よりも増加していることにつながっているような気がしています。
私的には、健康診断や人間ドックで「血圧が高め」と指摘されなかった人と「血圧が高め」と指摘された人とで、高血圧に対する意識について、どんな違いがあるのだろうかという点が気になっているところです。
例えば、「血圧が高め」との指摘された人でも、2人に1人しか医師の診察を受けていない状況ですが、「血圧が高め」と指摘されなかった人がもし「血圧が高め」との指摘された場合に医師の診察を受けるかどうか調査したら、もしかすると2人に1人の割合以上の人が医師の診察を受けるということになるのではないかという仮説を持っています。
それは、「血圧」を含めた健康意識、生活習慣病へのリテララシーが高く、その結果生活習慣に日常から意識していたり、実践していたりするのではないかという理由からです。
今回のような罹患された方へにフォーカースした調査結果でも、別の角度から見てみると、違った視点、仮説が見えてきてりするものです。
私は、ヘルスケア分野での意識や行動の調査結果については、いろいろな視点で見るようにしています。みなさんもお試しください。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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