『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ タップひとつで眠りへ誘う『眠れるゲーム』が変えた睡眠習慣。
28,000件のデータが明らかにする不眠改善の効果。 ”
目を閉じてさわって遊ぶ『眠れるゲーム』が、35,000ダウンロードに到達。9,000人を対象にした28,000件の利用データを分析した結果、54.3%の不眠を改善した効果が示されました。
健康コンテンツ開発を支援するギジンは、不眠を改善する「さわって眠れる睡眠アプリ – 睡眠観測」の利用データとアンケートをもとに調査・分析し、結果を公表しました。
<トピックス>
・全体の54.3%が適正時間で入眠。入眠潜時を短縮する効果。
・連続した睡眠時間で最も多いのは、6時間〜6.5時間。短い睡眠も多い。
・中途覚醒するユーザは、全体の20.5%。5人に1人は起床まで数回覚醒する。
・連続睡眠よりも中途覚醒の方が、入眠潜時が短い
・起床時間のピークは6時〜8時だが、深夜の起床も多い
・入眠時間のピークは0時〜2時。全時間帯に入眠が記録される
・女性比率が男性の3倍。10代〜20代の若い世代を中心。学生と会社員が多い。関東での利用が多い。不眠の原因は主にストレス。次いで不規則な生活や不安。
全体の54.3%が適正時間で入眠。入眠潜時を短縮する効果。
覚醒状態から眠るまでにかかる時間を「入眠潜時」と言います。これは長くても早すぎても良くなく、適正時間は10分前後とされています。アプリの利用データから、10分前後(5分以上20分未満)の入眠潜時が全体の54.3%あり、アプリを利用することで、2回に1回は適正時間で眠れていることが示されました。
プレスリリースはこちら(ギジン株式会社 2024年7月18日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目したのはタップひとつで眠りへ誘う『眠れるゲーム』の利用データとアンケートをもとに調査・分析を行ったニュースです。
この『眠れるゲーム』というアプリは、不眠の改善や睡眠習慣に対してのアプローチですが、ゲームと言っても睡眠、特に入眠時に目を瞑って行うものです。
具体的には、目を閉じて、流れ星が流れる音が聞こえたら画面をさわって、流れ星を待っている間に、眠りに落ちるというアプリです。
ベッドの中でスマホを使用するのは、入眠の妨げになるためおすすめできませんが、このアプリは、目を瞑ったまま、流れ星が流れる音が聞こえたら画面をさわるものなので、逆に寝落ちを促す効果があるというものです。
一般的には、覚醒状態から眠るまでにかかる時間を「入眠潜時」と言い、これは長くても早すぎても良くなく、適正時間は10分前後とされているようです。
覚醒状態から眠るまでの時間が長い場合、一旦ベッドから出てしまう方が良いとも言われており、また入眠までに時間を要する場合には、メンタル的な問題が絡んでいるケースもあるようで、注意が必要です。
今回ニュースの中で紹介している調査・分析の中では、入眠時だけではなく、中途覚醒した時に『眠れるゲーム』を使用することで、中途覚醒から再度入眠するまでの時間も短縮されるなど、睡眠に関して、特に入眠という切り口では『眠れるゲーム』は効果的なアプリということが、今回の調査、分析のレポートからわかります。
睡眠の課題として、入眠はもちろん、中途覚醒、早朝覚醒など悩みは人それぞれで、また、睡眠自体の課題というよりも、朝目覚めた時に疲れが取れていない、スッキリしない、さらに日中の眠気など、主観的な悩みの要素が強かったりします。
また、睡眠の課題解決に向けては、睡眠そのものの他に、寝具や環境、食事や運動など、いろいろなアプローチがあるため、睡眠の課題解決の具体策は複雑であるのも事実です。
しかし、今回の『眠れるゲーム』は入眠といった睡眠の課題の一つにシンプルにアプローチして、実際に入眠までの時間の適性につながっていることがデータとしても取れています。
ヘルスケアサービスでは、大きな課題に対して複数の解決方法等を取り揃えて提供しがちですが、もっとシンプルに、特定の課題に対してシンプルな機能で改善をサポートするだけの方が、本当に困っている人の改善にアプローチできるのではと、今回の調査、分析のニュースをみてあらためて感じました。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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