『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“離れていても家族をサポート!介護向けスマートケアウオッチ『Treata』”
親が介護を必要としている状態ではあるものの、親元を離れて生活することは現代では珍しいことではなく、不安を抱えながら生活をする人も少なくはないはずだ。そんな家族にぴったりなスマートケアウオッチ『Treata』が登場し、クラウドファンディングサイトIndiegogoで出資を募っている。
『Treata』はアプリと連携する時計で、介護を受ける人が時計を付け、介護を見守る人がアプリからモニタリングを行う。機能としては、介護者が入浴、食事、歯磨き、投薬などを忘れてしまっている場合、テキストや音声、ビデオでメッセージを送ることができる。介護者が決められたゾーンを離れたり、転んでしまったとき、しばらく動かない場合はアプリに連絡が入る。会員向けの「Circle of Care」というコミュニティが形成されており、万一の時プロの介護士がサポートを行ってくれる。
記事原文はこちら(『TECHABLE』2016年2月7日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
高齢者向け医療に関する話をすると、「高齢者にデバイスを装着してもらうことが大きなハードルとなる」とよく言われます。若い方より、普段付け慣れないものは忘れやすいためです。
Apple Watchが登場したことで、腕時計なら忘れないのではないか!? と期待が持たれていますが、iPhoneも一緒に持っていかないと、位置情報や通知機能が使えないため、なかなか本格導入には至っていないようです。
今回紹介する『Treata』は、見た目はただの腕時計、機能を使うのは介護家族だけなので、高齢者にも無理なく導入ができそうです。
機能だけでなく、プロの介護士がサポートしてくれるコミュニティ「Circle of Care」がポイントだと思います。遠隔でのコミュニケーションは、単純なメッセージだけになり、人の温かみなどが伝わりにくいことがあります。高齢者としては、わかっていることを毎日指摘されるのは気持ちの良いことではないでしょう。そう感じさせないフォローの仕方なども重要になると思います。
よく質問で、「海外で、高齢者向けにモバイルヘルスの活用はなんですか?」と聞かれます。外出時の体調不良や転倒を察知して通知するものなど、いくつかありますが、質問した方が期待するほど意外性のあるものではないです。
おそらく、高齢者市場における課題は米国よりも日本の方が先に来るのだと思います。高齢者向けのモバイルヘルスは、日本が先行し、良い事例を海外に伝えていけるようになれると良いですね。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ITヘルスケア学会 モバイルヘルスシンポジウムで講演を行う。
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