7月25~27日の3日間にわたって開催された『ウェルネスフードジャパン』。本レポートでは、初日に行なわれたセミナー「これからの健康経営を牽引するモバイルヘルス(食改善編)」の模様をお送りします。(取材:小松智幸)
モバイルヘルスを活用した継続利用促進事例紹介
株式会社スポルツ 渡辺武友(mHealth Watch)
mHealth Watchエディター渡辺からは、健康経営視点で「コミュニティングの活用」をキーワードとして、国内、海外の取り組みを紹介した。
国内の取り組み例では、フジクラ社のアプローチを紹介。健康経営にまつわる様々な取り組みから従業員の反応、意識変化の過程を紹介し、対象者を能動的存在として捉えるモデルを提示した。海外では、古参サービスである『Weight Watchers』が提供するサービスの移り変わりを挙げ、参加ユーザーの能動的な意識変化をサポートする仕組みを紹介した。
締めとして、健康経営の取り組みでは、社内で情報を蓄積していくスタンスが重要。業者に対しては発注みたいなスタンスではなく、一緒に作っていく姿勢が大きなポイントになる、とした。
職場の活性化に向けて
(株)富士通ゼネラル 健康経営室室長 佐藤光弘氏
mHealth Watchでは、先日掲載したインタビューにも登場いただいた佐藤光弘氏が登壇。富士通グループの取り組みとして、従業員一人ひとりの気づき、経営観点の組織評価を目的として10年以上前から「ストレスチェック」を実施してきた経緯を紹介。
資料では、富士通ゼネラルが実施したストレスチェックの概要を紹介。生活習慣、ヘルスリテラシー、プレゼンティズムなどの観点で項目を決定している点や、一般で行なわれている分析に加え、従業員視点の「ワークエンゲージメント」要素を盛り込み、組織評価だけでなく、受診者の属性評価も行なえる点なども紹介した。
また、富士通ゼネラルの取り組みの3つの特徴として、
・ポジティブなメンタルヘルスの実現
・職場の社会的・心理的資源に注目
・メンタルヘルスを経営として取り組む
を挙げ、社員一人ひとりのモチベーションや自立性に配慮している点を強調した。
結果として、ワークライフバランスが改善している傾向が見られたことを紹介。最後は来場者に向け、ひとつの部と仮定してストレスチェックを実践。集計結果として評価可能な内容をバーチャル体験した。
企業プレゼンテーションと登壇者5名による座談会
3パート目は、渡辺、佐藤光弘氏がモデレーターとして、3企業が提供するサービスのプレゼンテーションと座談会を実施。(株)ウィットの天辰次郎氏からは『あすけんブレイン・コンディショニング』、Noom Japanの濱嵜有理氏から『Noom(特定保健指導)』、ドコモ・ヘルスケア(株)の戸田 伸一氏から『フォトエット』のサービス概要を紹介。5人のディスカッションでは、各サービスの利用傾向や特定保健指導の課題、アプローチ手法などを挙げ、利用者の能動的サポートを促す試みや課題などを意見交換した。
以上、3セッションのセミナー概要でした。会場として用意された部屋はほぼ満員状態で、積極的にメモや写真を撮る方も多く、来場者の健康経営への関心度の高さが印象的でした。
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