去る11月26、27日の2日間、「データヘルス・予防サービス見本市2019」が催されました。企業や自治体の健康経営、病気予防の取り組みを検討している担当者を対象に催される展示会で、約60事業者がブースを出展、会期の2日間は4,000名もの来場者が訪れました。ネオスは出展事業者としてブースを設け、展示会1日目にはセミナーを実施。その模様をレポート致します(取材日:11月27日/撮影・取材:小松智幸)。
企業・自治体の健康経営担当者を対象に催される展示会
「データヘルス・予防サービス見本市2019」会場は「データヘルス計画」、「特定健診・特定保健指導の実施率向上対策」、「生活習慣病の重症化予防・フレイル対策」、「予防・健康づくりのインセンティブ」、「健康経営・職場環境の整備」という、5つのゾーンに分かれてブースを設置。
ネオスは「健康経営・職場環境の整備」ゾーンに「RenoBodyウォーキングイベントサービス」ブースを出展し、サービス説明・周知活動を実施。展示館に訪れる来場者は企業・自治体の関連担当者ばかりということもあり、ブース前に足を止め、興味深くサービス説明に耳を傾ける様子が多く見られた。
「中之条研究 日常身体活動による病気予防と医療費削減」
東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム 副部長 青柳幸利氏
セミナーでは、「RenoBodyウォーキングイベントサービス」で活動評価レポートの監修を担当している青柳幸利氏が登壇し、住民参加の大規模調査で成果があきらかになった「中之条研究」について紹介。
「中之条研究」は、青柳氏の出身地でもある群馬県中之条町で2000年に始まり、現在も行なわれている研究。中之条町住民のうち高齢者を対象に活動量計を配布し、日常身体活動のデータを取得して、心身の健康に関する何百項目もの分析を行なっている。
取得データの分析・研究から、低強度の日常生活では運動効果は期待できない、一方、例えば6倍以上のエネルギー消費量を伴うような強い活動はむしろ遺伝子を傷つけ、修復されずに残ると「がん」のもととなり、病気が発症しやすくなってしまう。過度な負荷は逆効果のため、「中強度の活動がもっとも免疫機能を高め、病気になりにくい体にしてくれる」という結果に至った。
中之条研究で得られた成果のポイント
・日常身体活動と病気の関係では、1日の平均歩数と中強度活動時間を分類すると、平均8000歩20分の中強度活動を実施するグループは、他のグループに比べて生活習慣病を始めとする発症率が低い(予防可能性で示すと約10倍)ことがわかった。
・20分の中強度活動が含まれた生活を2ヵ月続けると、長寿遺伝子の働きが良くなることがわかってきた。
・中之条町に住む70歳以上は、活動量計をつけてから、国民健康保険の月額が1万円減った。自治体負担で考えると、医療費削減に大きな効果が示されている。
日常身体活動で最大のパフォーマンスを得るためには、活動量と質、タイミングが大事。現状の日常活動量を知り、目標を決めたらそこに向けてプラス2000歩を2ヵ月間実施。続けられたら、さらに2000歩を2ヵ月、最終的に8000~12000歩の間を目指すと、最大の運動効果が得られる。その生活を継続すると、健康寿命を全うできる確率が高いとして、まずは活動量計やアプリサービスで現状の自身の活動量を知ることを推奨。スピーカーをネオス村上に交代し、青柳氏監修の活動評価レポートを含めた「RenoBodyウォーキングイベントサービス」を紹介してセミナーは終了した。
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