「保険外の未病領域をターゲットに、BtoCとBtoBで睡眠をサポート」
帝人株式会社 デジタルヘルス事業推進班 班長 濱崎洋一郎氏
今回から3回に分けて、健康経営の法人向けヘルスケアサービスで注目を集めているサプライヤーをご紹介します。
第1回は、今年4月から睡眠力の向上を図るSleep Styles® 睡眠力向上プログラムの本格提供を開始した帝人株式会社です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の医療機関向けレンタル事業や睡眠情報サイトの運営など、これまでの事業で同社が培ったノウハウをもとに、健康経営を支援するサービスを始めた背景やその狙いについて、お話を伺いました。(取材日:6月8日/インタビュアー:渡辺 武友/撮影:脇本 和洋)
ヘルスケア、マテリアル、ITを複合したビジネスモデルを創出
Q:御社では2015年に睡眠総合サービス「Sleep Styles™」や睡眠情報サイト「フミナーズ」を立ち上げ、2016年に寝つきをサポートするウェアラブル&アプリ「2breathe(ツーブリーズ)」を発売してきました。
濱崎さんは睡眠の領域に携われて4年ぐらいとのことですが、以前からヘルスケア分野でお仕事をしていらっしゃったのですか?
濱崎洋一郎氏(以下:濱崎):はい、そうです。帝人グループのIT事業部門であるインフォコムにいたときは、ヘルスケアITという医療機関や製薬企業向けのビジネスをやっていました。また、インフォコムの新規ビジネスということで、健保向けに加入者の方々の携帯電話に直接届けるサービスの開発なども手掛けていました。
なぜBtoBtoCのサービスを手掛けたかというと、自分たちには、ヘルスケアの知見とともに、インフォコムのもうひとつの柱としてやっているコンシューマー向けのネットサービスがあったことも理由です。今は分社化してアムタスという会社になっています。
最近だと、電子書籍の「めちゃコミック」というサービスを展開していますが、デジタルやネットを使ってコンシューマーと繋がり、サービスを提供するノウハウがあったので、それをうまくヘルスケアに生かしたいという思いがありました。
その後、帝人グループで「ヘルスケア、マテリアルにITを組み合わせて、新たな事業を生み出す」ということが、中期計画の柱のひとつとなりました。それまでは、この手の事業融合プロジェクトというのは、各事業からメンバーを出させ、兼務組織として月に1回集まるといったやり方が多かったのですが、そのときは「どうせやるのなら、ヘルスケアの知見を持った人、ITの知見を持った人を集めて、専任組織を作ろう」ということで、社長直轄組織を作り4年前から活動を開始しました。
Q:御社はもともと、医療領域で睡眠に関して強いですよね。そういう流れも関係していますか?
濱崎:在宅医療事業では、睡眠時無呼吸症候群の患者さん向けにサービスを提供していますが、厚生労働省が実施した国民健康・栄養調査では日本人の5人に1人が「睡眠の悩みを抱えている」ことが言われています。5人に1人が眠りに問題があるって、すごく多いですよね!? 私どもの医療機器をお使い頂いている患者さんの背後に、いろんな意味で眠りに問題がある方がいっぱいいるわけです。自分たちの知見を生かして、サービスやターゲットを広げていく。そんな発想で「じゃあ、まず眠りからやってみるか」というような感じでしたね。
Q:これまで御社はBtoBがメインでしたが、BtoCでサイト運営やウェアラブル販売を始めたのは、どういう狙いだったのでしょうか?
濱崎:先ほどの中期計画の中で、「ヘルスケア、マテリアルにITを組み合わせて、新たな事業を生み出す」といったとき、「新しいビジネスモデル」ということを意識しました。特にヘルスケアに関しては、帝人は保険医療の中で薬とか医療機器をやってきたのですが、保険だけじゃないビジネスモデルができないのかと考えたわけです。コンシューマーの方に、直接サービスを買って頂く、あるいは、そこで広告収入を得るといった、今までとは違う形をというのが発想としてはありました。
ただ、ヘルスケアの業界でBtoCでビジネスをしていくのは、それなりに大変ですね。大きくしていく、事業化していくのはそれなりにハードルがあると学びながら、どうやってマネタイズしていくのがいいのかを模索しながらやっています。
手探りで始まったコンシューマー向けのビジネス
Q:インフォコムにいらっしゃった時代に、着メロや電子書籍などの携帯サービスが好評ですよね。そうしたノウハウが生きているということもありますか?
濱崎:そうですね。アムタスのメンバーにも手伝ってもらったり、いろいろと知見をもらったり。それはかなりやっています。
Q:それでも、ヘルスケアとなると難しさが?
濱崎:例えば、睡眠情報サイト「フミナーズ」では、睡眠の質を高める方法や睡眠課題の原因や改善方法、寝具や安眠グッズなどのコンテンツを提供しています。上がったり、下がったりはしていますが、400~500万のセッションで500~600万のPVがあります。だいぶ集客はできてきましたが、それをマネタイズしていくところが課題だなと感じています。
Q:集客はできても、お金を落としてもらうところへ持っていくのは大変ですか?
濱崎:正直大変ですね。ウェアラブル&アプリの「2breathe」はネットプロモーションやイベントなど、いろいろとやっています。この製品は、イスラエルのベンチャー企業、2breathe Technologies社が開発したのですが、この製品の良さを分かって頂くのはなかなか難しいです。私たち自身も、最初は「おなかにバンドを巻いて、呼吸を読み取ってBluetooth? iPhone? アプリ? ガイド音? それで眠りとどういう関係があるの?」という感じでした。正直言って、「これ、日本に持ってきても売れるのかなぁ」と思ったこともあったほどです(笑)
Q:でも、持ってきたわけですよね?
濱崎:中味を聞いていくと、これ、なかなか面白いんです。「ぜひ、この良さを知ってほしいのでやろう」といって、持ってきました。
実はこれ、もともとは高血圧の治療器として作られたものなのです。アメリカではFDAの承認を取って医療機器として売られているのです。ですから、元のメカニズムについては、エビデンスもしっかりしているのです。今回導入したものは、この医療機器バージョンの次世代版になります。
「不眠」などの検索から、フミナーズに来る人も増えているのですが、そういう方々に対して「こういうメソッドがあります」ということを、具体的に、かつ分かりやすく提示すると購入頂く方が出てくるのです。「いろいろと試してもなかなか眠れるようにならなかったけれど、これをやると眠れるようになる」というお客さまもいます。良さを分かっていただいて、ちゃんと使っていただけると、お役に立てるんだなぁというのは感じています。
Q:「2breathe」はウェアラブル&アプリで呼吸リズムを整えるリラックス法とのことですが、どういった仕組みなのですか?
濱崎:ウェアラブルを腹部に装着すると、呼吸パターンを感知し、データをスマートフォンにリアルタイムで送ります。すると、スマホからその方の呼吸リズムに合わせた「リラックスに導くガイド音」が流れます。ガイド音に合わせるように呼吸を整えることでリラックスできるのです。
Q:ご自分でも使われているのですか?
濱崎:昼間のストレスが過多になっていると、ベッドに入ってもなかなか眠れないので、毎日ではないですが使っています。また、緊張するプレゼンの前などは、呼吸で気分を落ち着かせるトレーニングにも使っています。
これまでのBtoC事業で培ったノウハウをもとに、法人向けプログラムを開発
Q:「2breathe」は長く販売されているので、そこそこ売れているのだろうなとは思っていました。コンシューマーというのは、誰かに言われてやるのではなく、自分で手間とお金をかけてやる人たちです。フミナーズを見にくるだけの人も「自らそこに来て、情報を仕入れて、役立てる人」ですね。
濱崎:フミナーズの訪問数は23時ぐらいから0時、1時に向かってピークになります。だんだん減ってきて、朝の7時、8時に伸びてまた落ちていく。それを毎日、繰り返しているのです。
Q:夜中のピークに来るのは、眠りたいけれど眠れないという人ですか? 朝のピークは中途覚醒した人?
濱崎:夜中は「眠れない」「不眠」「眠れないときは」などのキーワードで検索して来る方が多いですね。朝は「寝ても寝ても眠い」というキーワードが多いです。そうしたピークのタイミングで「2breathe」を購入される方もいらっしゃいます。
ただ、単品のBtoCだけでは商売としてはなかなか大きくはなりません。そこで、帝人ファーマがずっとやってきた睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングなども含め、企業や自治体向けの「Sleep Styles® 睡眠力向上プログラム」を開発しました。
Q:「2breathe」、「フミナーズ」などのBtoC事業で蓄積したノウハウやコンテンツは「Sleep Styles® 睡眠力向上プログラム」にも反映しているのですか?
濱崎:そうですね。BtoC事業を通して、睡眠の問題に気付いていただくためのコンテンツやメソッドの提供を行っていますが、その作業を通して、私たちとしてもユーザーに刺さるコンテンツ、サービスは何かを見極めることが出来るようになっています。見極めるといっても、作り手が自分たちの論理で見極めるのではなく、多くのユーザーの方々にご覧いただけるか、お使いいただけるかどうかによって判断することが、徐々に出来るようになっています。そういったノウハウを「Sleep Styles® 睡眠力向上プログラム」などのソリューションに繋げていきたいと考えています。
「Sleep Styles® 睡眠力向上プログラム」を利用している方には楽しみながら継続していただくことが大事なのですが、そのためにも、「フミナーズ」で読者の方に関心の高いコンテンツなども入れ込んでいきたいと思っています。
Q:「Sleep Styles® 睡眠力向上プログラム」は、2018年4月17日に本格提供を発表されましたが、反応はいかがですか?
濱崎:おかげさまで多くのお問い合わせを頂いています。6月から使い始めて頂いた企業もあります。
Q:どのぐらいの規模でやるのですか?
濱崎:数百人規模が多い印象です。プログラムを実施してくださる会社では、「2breathe」にしても、その良さをご理解いただき、まとめてお使いいただくということを想定しています。
Q:法人向けの健康支援サービスは、圧倒的に歩数を計測するタイプが多いのですが、睡眠も少なからずありますよね? 競合についてはどうお考えですか?
濱崎:外から見ると、やっていることは似たり寄ったりに見えるかもしれません。ただ、もちろん競合さんはいらっしゃるのですが、まだまだ競合うんぬんのレベルじゃないだろうとは考えています。市場として、まだまだ立ち上がっていないので。
Q:市場を作るところだから、逆に競合がいたほうがいいと?
濱崎:そうです。競合がいないと比較もできないし、それぞれの特徴も分からないですよね。帝人の大きな強みは、睡眠時無呼吸症候群など、睡眠障害の人も含めて総合的にご支援できることだと考えているので、あまり競合状態は意識せずアピールしていきたいと思っています。
Q:「Sleep Styles® 睡眠力向上プログラム」は、フジクラ社とのコラボレーションで社員100人を対象に実証実験をしていましたよね。「生活リズム不調型」「睡眠効率低下型」「緊張型」「無呼吸リスク」といったタイプ別に、サービスを提案するという点が評価されていると聞きました。
濱崎:最初に80問ぐらいの詳細なアンケートを行い、その方のレベルや課題を抽出します。さらに、睡眠に関する学習も行います。その後、アプリで行う睡眠コーチングが合う方、「2breathe」でストレスを軽減させたほうがいい方、無呼吸リスクがある方に分けて、それぞれのメソッドに取り組んでもらいます。無呼吸リスクが高そうだとされた方には、産業医と連携し、オプションで睡眠時無呼吸症候群の簡易スクリーニング検査を実施します。
また、始める前と2週間後、8週間後にスマホでPDCA(Plan Do Check Act。計画→実行→評価→改善)のチェックを行い、結果が見えるようにしています。
Q:途中のPCDAチェックで、タイプが変わってくることがあるのですか?
濱崎:あまり複雑になり過ぎるとよくないので、今は、途中でタイプが変わった場合、アドバイスを変えるなどはしていませんが、利用者の状態に合わせて、よりパーソナライズ化したサービスにしていきたいと考えています。
睡眠習慣の改善がもたらす、さまざまな効果
Q:パイロット実証の結果を拝見すると、プログラムの実施前と2週間後、8週間後で「医師に相談をすることをおすすめします」という方が、かなり減っていますね。
濱崎:これは世界保健機構(WHO)が中心となって作成した「アテネ不眠尺度」で、不眠リスクを判定した結果です。プログラム実施前は「医師に相談することをおすすめします」という、不眠リスクの高い人が28%いました。プログラムを実施して2週間後には15%になり、8週間後に6%へと有意に変化しました。
これは主観的な不眠感ですが、その背景になっているのが睡眠習慣の変化ではないかとみています。入眠潜時(寝つきの時間)が有意に減り、睡眠時間が有意に伸びて、睡眠効率(就床時間に対する睡眠時間の割合)が上がっていく。睡眠習慣が改善することで、主観的な睡眠感もよくなるものと解釈できます。
アンケートにはK6という気分不安障害のスクリーニング検査の項目も入れています。これは5点がカットオフ値(検査や測定結果の陽性、陰性を識別する数値)で、パイロット実証では平均4点台でした。プログラムを2週間やると3点台に有意に変化し、8週間後もさらに落ちています。最初と2週間後の変化がいちばん大きいですね。睡眠だけでメンタル問題を解決できるとは考えていませんが、メンタルのリスクが高い人ほど、睡眠を見直すことで、ストレス減の変化が出る場合もあるとすると、メンタル対策のひとつになり得るのではないかと考えています。
逆に、ストレスチェックの中にある、「従業員のいきいき指数」と呼ばれる「ワーク・エンゲージメント」「職場での創造性の発揮」という仕事に対するやる気指標も有意に変化していました。
睡眠感が改善することで、メンタルのマイナス部分がゼロに向かい、仕事に向かう意欲が増すことがデータとして出てきたのは、データを解析する中で、非常に驚いたと同時に、興味深いことでした。
Q:「2breathe」は機器を輸入して、日本用にカスタマイズされているのですよね? アプリで行う睡眠コーチングはすべて作ったのですか?
濱崎:「睡眠コーチ」というアプリがベースなのですが、自社で開発しています。広島国際大学の田中秀樹先生とご一緒に、認知行動療法をベースにしたコーチングで、睡眠認識、睡眠習慣を変えていくという共同研究を行いました。それをもとに作っています。
Q:睡眠コーチングの手法って、基本的には認知行動療法なのですか?
濱崎:そうですね。まずはご自分の睡眠を認識してもらい、その睡眠パターンに応じて、その方に適したアドバイスを行います。それから毎週、睡眠パターンがデータとして出てくるので、それに基づいて「次の週はこうしましょう」と提案します。強制的ではありませんが「こういうふうにしたらどうですか?」とアドバイスしていく感じですね。
Q:睡眠の状況に変化があった場合、アドバイスも変化していくのですか。
濱崎:それほど大きく変わりませんが、睡眠習慣によってアドバイスも変えています。今、別のコンシューマー向けサービス(「スリープコーチ」)で、リアルなコーチがチャットでサポートするというのを実験的に展開しているところです。サービスを進化させないと、継続して使ってもらえないので、そうした試みが必要だと感じています。法人向けのプログラムも、ゆくゆくはよりパーソナライズされたサービスにしていきたいと考えています。いずれは睡眠だけではなく、他の行動パターンも見ながら、AIが最適なアドバイスを返すような、そんなサービスができるようになればと思います。
Q:法人向けの健康支援サービスでは「医療費の削減」「生産性のアップ」などの表現が多くありますが、御社の場合は「眠り方を変えると、仕事のパフォーマンスが変わる」とキャッチコピーにしていますよね。自分たちの提供するものにどういった価値があるのかを、明確に出していると感じました。
濱崎:ありがとうございます。普通の感覚としては、「眠りを変えると、企業にとって何がいいの?」と思いますよね。ただ、しっかり休まないとパフォーマンスが上がらないというのは、みなさん実感値として持っていますし、働き方改革の一環として勤務間インターバル規制が推奨され、ようやく睡眠がお題に上ってきたところなので、睡眠を変えると仕事のパフォーマンスが変わるというのを、はっきり伝えていくことが大事だと思っています。
Q:そういう表現にしたことで響いている、反応が違うというのはありますか?
濱崎:あると思いますね。例えば、法人向けに運動や食事のプログラムってありますよね。先日お伺いした企業で言われたのは、こういうプログラムって、健康意識の高い一部の人だけがやって、サポートが必要な人はあまりやらないということがある。でも、人はみんな眠るのでそこに目をつけて、しっかり休むという訴求はいいねと言われたりしますね。
ある研究者の先生とお話をしたとき、その方が「ちゃんと眠れると、顔が読めるようになるんですよ」というのです。実はこれ、アメリカでやった研究なのですが、すごく機嫌のいい顔からすごく不機嫌な顔まで、俳優さんが10段階で表情を変えた写真を作成し、被験者に写真をランダムに見せて、すごく機嫌がいい顔からすごく不機嫌な顔までを評価するんです。しっかり寝た被験者群は正しく評価しているのですが、睡眠不足群では、同じ実験をすると、すごく機嫌がいいのと、すごく不機嫌なのは分かるけれど、真ん中の微妙なところで評価がずれるというのです。
Q:おもしろい研究ですね。確かに納得感があります。
濱崎:それを聞いて「お客さんを怒らせてしまう営業マン」や「上司を怒らせてしまう社員」は顔が読めていないのではないか? もしかして、眠れていないのかもと思いました。例えば、コールセンターでも、声からお客さんの感情を読んで対応します。きちんと声が読めるかどうかで、コールのクロージング率やコールの長さが変わってくる。それって生産性に直結しますよね。感覚的には分かっていた眠りと生産性の関係を見える化した面白い研究だと思いました。
法人向けプログラムをきっかけに、個人向けサービスも拡大へ
Q:法人向けの「Sleep Styles® 睡眠力向上プログラム」がスタートして、すぐに1社が決まったという状況ですが、今年度はどんな感じなのでしょうか?
濱崎:まだ、スタートして間もないのですが、おかげさまで多くの企業からお問合せいただいています。ぜひ、皆さんにご提案していきたいと思っています。同時に、福利厚生や健康増進のサービスをやっていらっしゃる方とうまくアライアンスを組むような、そういうスキームも今年度は作っていきたいですね。
Q:いつまでに何社導入を目指す、など決めていらっしゃるのですか?
濱崎:一応、2020年までに500社ぐらいに入れたいと思っています。睡眠からは、メンタルや生活習慣病にも繋がるので、睡眠をベースに広がりのあるサービスができないかと企画しているところです。
Q:法人向けの「Sleep Styles® 睡眠力向上プログラム」をきっかけに、個人向けの市場で広くやるということですか?
濱崎:広げていきたいなと。睡眠に関してはもともとBtoBをやっていた帝人が、BtoCをやり、法人向けプログラムでBtoBを、そしてまたBtoCのほうにも出していけるんじゃないかなと思います。今もやっていますが、もっと本格的にできるのではと感じていますね。
Q:BtoCをやり続けることがすごくいいと思います。苦しくてもやり続けるからこそ、BtoBでも価値になると思うので、そこはぜひ続けてください。結局、BtoBで売っても、その従業員ってBtoCですから、Cで磨かれてみんなが欲しいと思うものじゃない限り、会社に何を言われようがやらないですからね。
濱崎:おっしゃる通りですよね。使い勝手にしても何にしても、お客さんは厳しいですからね。そういう知見は、BtoBに入れていかないといけないと思っています。
Q:興味深いお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
【プロフィール】帝人株式会社 デジタルヘルス事業推進班 班長 濱崎 洋一郎 氏
1990年、帝人株式会社入社。医療IT事業の企画開発等に従事。2011年よりインフォコム株式会社経営企画室室長。同社の投資戦略、海外展開戦略等の策定、実施を進める。2014年より現職。2015年4月より(株)ねむログ代表取締役を兼務。
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