『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「
今回注目したニュースはこちら!
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“OKIと早稲田大学、スマホ利用で無理なく健康行動を促進する「健康増進プロンプトシステム」を開発”
独自開発の「行動変容技術」を利用、実証実験により利用者行動・意識変化への効果を確認
OKIと早稲田大学人間科学学術院(研究代表者:竹中晃二教授、以下 早稲田大学)は、このほど、行動実践の動機づけを高めて無理なく日常生活の長期的な変化を促すことができる「行動変容技術」と、これを用いた「健康増進プロンプトシステム」を開発しました。本システムを用いて約70名の被験者による実証実験を行い、行動および意識の変化に対する有効性を確認しました。
開発した「健康増進プロンプトシステム」は、利用者の属性やリアルタイムの行動状況を元に、生活習慣の改善行動の「きっかけ」や「合図」をスマートフォン上に提示するものです。本システムは、従来のヘルスケアシステムにあるような行動の可視化ではなく、行動変容理論にもとづいて健康行動の継続を支援する情報を送ることを特徴としています。利用者は、本システムの利用を通じて、生活行動の改善を習慣化することが可能となります。本システムを活用するサービス事業者や行政機関は、利用者に健康寿命延伸の付加価値を安価に提供したり、社会コストを低減したりすることができます。
プレスリリースはこちら(沖電気工業株式会社 2018年7月5日発表)
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、早稲田大学がこれまで研究してきた健康行動変容に関する学術研究をもとに沖電気工業が生活習慣の改善行動の「きっかけ」や「合図」をスマートフォン上に提示するシステムを開発したニュースです。
沖電気工業が開発した「健康増進プロンプトシステム」は、これまでの健康行動の可視化ではなく、健康行動の改善のその先にある、習慣化、定着化を目的としています。
健康改善の取り組みでは、一時的な改善よりもむしろいかに健康行動を継続するか、習慣化できるかがポイントになってきています。
これまでのヘルスケアのサービスやプログラムでは、健康行動の可視化がメインであって、そのデータをもとにした行動の継続の部分は、利用者任せになっていることが多いです。最近は、健康行動の改善やその先にある習慣化、定着化に向けたアプローチとして「AI」を活用してパーソナライズ感の演出、サービスが出てきています。
今回の沖電気工業が開発した「健康増進プロンプトシステム」でも、利用者の属性条件(性別、肥満度、多忙度、体力)、行動条件(歩数、位置)、および利用者周辺の環境条件(時間帯、天候)に応じて、通知タイミングやメッセージを個別にスマートフォンに出し分けるようです。
このような行動の継続の部分にアプローチする時の個別のメッセージで、ポイントになってくるのが、以下2点だと思います。
1点目は、行動の継続にはある程度の期間が必要なのですが、利用者の行動データや環境データ等からメッセージのバリエーションがどれだけ作り出せるかという点です。
日常的な生活の中では、利用者の行動データや環境データはそれほど大きな変化がない可能性が高いです。しかし、毎回同じメッセージでは飽きられてしまう、もしくは見てくれなくなるので、そのあたりの工夫が長期に渡って必ず必要になってきます。
2点目としては、スマートフォン上でのメッセージでは、システム的に配信されていると見られてしまう傾向が強く、受け手側としてはメッセージの価値、意味が低下してしまいます。そにため、スマートフォン上にメッセージを出す際には、パーソナライズ感はもちろん、メッセージに価値や意味性を持たせる「演出」「仕掛け」が必要になります。健康行動の継続に向けたサポートでは、やはり継続的なコミュニケーションが重要な役割を担っていると思います。
このコミュニケーションの部分に「AI」の活用が見込まれていますが、全てが「AI」に置き換わるのは難しいと考えています。
行動変容の技術、コミュニケーションそしてオンラインといった各領域が複雑に重なり合うので、「AI」と「人」の役割分担こそが最適な組み合わせではないかと感じています。
健康行動の改善やその先にある習慣化、定着化に向けたアプローチでは、コミュニケーション自体が健康行動の中止要因、制止要因にもなり得る可能性があることを前提に考えておく必要があるのです。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、
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