2023年12月11~12日の2日間、室町三井ホール&カンファレンス(東京都中央区)にて『Healthtech/SUM 2023』が開催されました。
mHealth Watch取材のレポート第2弾はスギ薬局の講演です。
米国で、実はデジタルヘルス活用で躍進しているのはドラッグストア市場だと思っています。日本での展開の参考にスギ薬局の現状を伺いました。(取材:渡辺武友)
DeepDiver:
トータルヘルスケア戦略の推進〜 DX 推進のパイロット店舗のご紹介〜
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スピーカー:山下光宏(株式会社スギ薬局)
トータルヘルスケア戦略実現に向けて
スギ薬局が掲げる「トータルヘルスケア戦略」は、「お客様の健康の維持〜終末期をトータルに支援」することを目指す。
スギ薬局は現在、ドラッグストアとネット調剤を中心に展開している。店舗数は1,652店舗(11月月末時点)。さらにアライアンス企業が増加している。
どのような健康状態であっても、一人ひとりに付き合い寄り添っていく。これを実現するためにはスギ薬局だけではなく、アライアンス企業と一緒になって取り組む必要がある。
トータルヘルスケア実現のために必要なのがデジタルの活用。デジタルを使ってOne to Oneマーケティングを行っていく。
スギ薬局では、2021年にDX本部を立ち上げた。お客様の商品購入データを分析し、商品やサービスを開発していく。それが既存商品となり購買データとなっていく。データを貯め、幅を広げていく。
現在、提供しているアプリは「スギ薬局アプリ」(1,126万DL)、「スギサポwalk」(295万DL)。
以前は複数のアプリ展開をしていたが、2022年度に内製化し「スギ薬局アプリ」(1,126万DL)に集約。クーポンのUXを改善し、スギポイントプログラムが推進力となっていく。
以前はポイントを貯めるとお買い物券に交換してから特定の商品を選ぶことができたが、現在はポイントを普段の買い物に使うことができる。
スギチャンネルでお得情報を配信し、店舗に来たお客様はアプリを開きながら買い物をする。お客様との接点を増やし、購買のタイミングを早める。
「HICity(HANEDA INNOVATION CITY)」の取り組み
羽田空港近くにある天空橋駅に直結する施設(街)として「HICity(HANEDA INNOVATION CITY)」がオープン。スギ薬局は「SUGI+ powered by AISIN」を出店した。未来の健康をトータルに考える場となる。
体験を提供する場としてヘルスとビューティーに絞っている。色々な企業と連携し、普段店舗で扱わないような商品を試してもらい、マーケティングに活用している。
ラボスペースがあり、そこで試したものをお店にすぐに展開している。
“わくわく”する体験の場としてネイチャーラボ社の「香り体験BAR」を提供したりしている。
その他、新商品発表の場などに活かしている。
対話AIエージェント見習い店員「Saya+」がおり、お客様の属性を踏まえて推奨するものを紹介している。
このようにスギ薬局では、DXを推進することで専門性あるスタッフが接客に専念できるような環境を作っていき、お客様の信頼作りにつなげ、LTV向上を図っていく。
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