『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Appleの特許が公開に、集合写真の送り先は“顔認識”で決定”
友達と旅行に行くと楽しくてついつい写真をたくさん撮ってしまう。帰ってきてから写真に写っている人それぞれに写真データを送るのは、大変な手間がかかる。しかし、Appleの特許「SYSTEMS AND METHODS FOR SENDING DIGITAL IMAGES」(公開特許番号「US 2015/0227782 A1」)を使えば、そんな操作がワンタッチで済む。
この特許は、写真に写っている人の顔を認識したうえで、何らかの形で用意されている情報を参照して該当者の連絡先を取得し、ユーザーに提示するもの。
例えば写真に複数の人が写っている場合でも、各自のメールアドレス、電話番号、FacebookやTwitterといったSNSのアカウントなど、特定のコミュニケーション手段に制限されず連絡先が示されるので、それぞれに適した方法で写真を送ることができる。
iPhoneにこの技術が搭載されたら、友達に「選ぶのが面倒だから写真は全部オンラインストレージに入れました。自分の写っている写真を探してダウンロードしてください」などと丸投げせず、一人一人に送ってあげられるので喜ばれそうだ。
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『mHealth Watch』の視点
今回はAppleが2014年に出願し、今月13日に米国特許商標庁が公開した“顔認識”技術について見ていきます。
この技術は取り立てヘルスケアに関係ないものと思われるかもしれませんが、ある側面ではヘルスケアの活用に可能性があるのではないかと思っています。それはリアルの場での利用です。
モバイルヘルスはオンライン上のみでのコミュニケーションと思われがちですが、リアルなコミュニケーションを組み込むことで成果につながりやすくなることがあります。例えば、グループコミュニティーでダイエットを行なっている場合、コミュニティ限定のリアルイベントに参加することで、参加者やファシリテーターと直接会うことで、コミュニティーがより身近になり、参加意欲が高まる効果があります。
今回の顔認識機能は、リアルイベント後に役立つのではないでしょうか。参加者が多い場合、運営側は短時間で正確に名前と顔を一致させ、その後のフォローで間違えないようにしていかなければなりません。そのような場合に活かせるでしょう。
またランニング教室など、1名のコーチで20名程度見る必要があります。その場の指導では問題ありませんが、その後のフォローで顔認識機能が活かせるはずです。
今後、オンラインとリアルなコミュニケーションをうまく活用した、満足度の高いサービス設計に、モバイル技術をうまく取り入れていくことがポイントになってくるでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ITヘルスケア学会 モバイルヘルスシンポジウムで講演を行う。
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