『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ニールセン・レポート「1月に46万人がフィットネスアプリを使用」”
ニールセンのレポート「Nielsen’s Mobile NetView 3.0」よると、アメリカのスマートフォンユーザーの約1/3(約4,600万人)が、2014年1月にフィットネス・健康分野のアプリを使用していた、という。このレポートの基となったのは、調査協力者の承諾を得てiOSやAndroidスマートフォンにインストールされるアプリケーションである。18歳以上の約5,000人の回答者が、このレポートに参加した。
2014年1月にフィットネスアプリにアクセスしたスマートフォンユーザーの数は、対前年比18%増加した。ニールセンによれば、ウェアラブルデバイスに接続される人気のアプリは、『Fitbit(330万ユーザー)』や『Nike+Running(80万ユーザー)』だった。また、Samsungの『S Health(300万ユーザー)』もこの分野で挙がっているが、調査が行なわれた1月は『Gear Fit』の発売前であり、アメリカでは『S Health』に接続されるウェアラブルデバイスは存在しなかった。
ニールセンによると、2014年1月に使用されたなかで、もっとも人気のスタンドアローン型ウェルネスアプリは、ユーザーの目標により様々ではあるが、『MyFitnessPal(870万ユーザー)』や『Nexercise(300万ユーザー)、『Runkeeper(210万ユーザー)』だったとのこと。最近の調査で、ウェアラブルデバイス保有者の半数が18~34歳の年齢層である一方、『MyFitnessPal』ユーザーの大多数は35歳以上とのこと。
さらに、男性より女性の方がウェルネスアプリを使用している。30~39歳の年齢層の44%がヘルスアプリを使用しており、このうち60%が女性だった。最近の調査では、ウェアラブルデバイスの保有については男女差がないことも明らかになっているが、女性は『Fitbit』アプリを月に29回使用しているのに対し、男性は月に16回だった。この調査が示すように、男性より女性の方がよりアプリを使用し、男性の方が専用デバイスを使用していることからすると、『Fitbit』アプリを使用する女性の割合の大きさが説明できるかもしれない。このデータが取られた2014年1月に、Fitbitはアプリがデバイスとは独立して使用できるよう、アプリ単体でのトラッキング機能を発表した。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』4月17日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
今回注目のニュースは、「1月に46万人がフィットネスアプリを使用」に関する記事です。
スマートフォン、アプリの登場により、健康行動への関心が高まりました。アメリカではスマートフォン利用者の約1/3もの人が、何かしらのフィットネスアプリを使っているとは驚異的な数と言えるのではないでしょうか!?
特に若い世代にアプローチできたのは大きな特長と言えます。国内で考えていただけばわかりやすいですが、就職して働き始めると、途端に運動量が減る人が多いです。よほど趣味がスポーツでないと、働き出した時期を境にまったく運動しなくなるだけでなく、食事の量や質が10代と変わらないため、太りやすくなるのが実態です。
スマートフォン+フィットネスアプリやデバイスが実現したのは、「スマートフォンを使って(連動して)運動することがスマート(カッコイイ)である」と若い世代に思わせることができたことです。周りの人が当たり前のように取り組めば自然と「週末は少し走ろうか」となりやすくなってきます。
さて次はブームで終わらせず、またやっている人にどう飽きさせないアプローチをしていくか、です。『Runtastic』は、より好きになってもらうためのステップを用意しています。『Fitbit』は女性人気に火を付けた『zip』の可愛さ路線を推し進め、日常生活のログから気付きを与えようとしています。次なるアプローチ、ぜひアイデアを膨らませてみてください。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器の研究を行ない、健康ビジネスメディア「ヘルスビズウォッチ」を中心に海外のトレンド情報などを発表している。
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