AppleとIBMは最近、1980年代のライバル意識を脇に置いて、IBMのビッグデータ処理能力と企業向けプラットフォームの経験が活用できるiOS向け企業用モバイルアプリの新規開発で協力していく、と発表した。
IBMの公的部門担当部長Dan Pelino氏は、「この新たな提携で、主たる関心事のひとつはヘルスケアである」と述べている。本提携から生まれるヘルスケアに特化したアプリは、「患者の情報をモバイル仕様にし、安全かつセキュリティーが確保されています。これは、モバイル端末(iPhoneとiPad)のほか、IBMで顕著なセキュリティーとスケールを活用する企業向けソリューションとなるでしょう」と発言。
この提携は、ヘルスケア業界で急速に存在感を増している両社を結び付けている。多くのヘルスITシステムの実践での「隠れた」役割に加え、IBMは複数のヘルスケアプロバイダーと協力して印象に残る実績を残しており、自然言語処理能力を使った『Watson』のアプリケーションプログラミングインターフェースへのアクセスを提供して技術の使用を広めている。そしてAppleは最近、『HealthKit』という、他のヘルス系アプリやモニタリング端末と統合し、ユーザーがより簡単に自身の健康をモニターできる消費者向けモバイルヘルス追跡プラットフォームを発表した。
両社によるヘルスケアへの進出でさらに顕著なのは、Epicとの緊密な関係である。Epicはかつて、Epicシステムをプラットフォームと統合し、遠隔モニタリングや治療の可能性を開いたEHRアプリサービスでAppleと提携していた。Epicが実装したうちの約80%に関わっていたIBMは最近、 国防省のEHR近代化契約で共同提案した際、このEHRサービスの巨人との関係を強化した(出所:InformationWeek紙の記事、特集は「iOSサポートの提案」)。
Pelino氏はEpicについて、「AppleとIBMの新たな提携の一部分を公式に構成するものではない」と回答している。ただし、3社の協力関係は続くという。3社がまとまることで、ヘルスケアの新たなリーダーとなる、と見ている。
記事原文はこちら(『Becker’s Hospital Review』8月1日掲載)
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