『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“スマートウォッチは、フィットネスウェアラブルを置き換える”
Juniper Researchのアナリストは、「スマートウェアラブルデバイスの全世界的小売売上高は、2016年までに現在の3倍、2019年までには532億ドルに達する」と予測。今後5年間、市場は高級スマートウォッチやスマートグラスの売上の増加により先導されるだろう。
レポートによると、主要プレーヤーがウェアラブル分野へ参入したことにより、ますます混雑する市場で新たなデバイスの急増に油を注ぐことになる、としている。しかし筆者は、ベンダーが「さらにテクノロジー第一の態度を克服しなければならず、選択すべき商品が増加するなかで、ユーザーのプラスとなる観点で考える必要がある」と異議を唱えた。
さらにJuniper Researchは、2017年までにはスマートウォッチが既存のフィットネスウェアラブル製品に取って代わり、もっとも購入されるウェアラブルカテゴリー製品になるだろうと予測している。
業界アナリスト会社Canalysによる分析では、来年のウェアラブルバンド最大のけん引役となるのはAppleだろう、と予想している。ウェアラブルバンドの出荷台数は前年比129%の増加で、2015年には4,320万台に達する見込み。その内訳は、スマートバンドが2,820万台、ベーシックな機能を備えたバンドが1,500万台。
Canalysはウェアラブルデバイスの出荷を追跡し、第三者が開発したアプリを実行できるスマートバンドと、そうでないベーシックなバンドに分割し、市場を分析した。CanalysのアナリストDaniel Matte氏は、「超小型ディスプレイ向けに最適化された新しいUI(ユーザーインターフェース)を開発することで、Appleは一般消費者が実際に着用したいと思うスマートウォッチを作りました。洗練されたソフトウェア、多様なデザイン、そしてお手頃なエントリー価格を組み合わせることで、魅力的な新製品を生み出すのです。しかしAppleは、最終的な製品が十分なバッテリー持続時間を消費者に提供できることを証明しなければなりません」。
記事原文はこちら(『mHealthWatch.com』9月15日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、スマートウォッチに関する記事です。
ニュースの内容に入る前に、まず記事に出てくるキーワードを整理するため、自分なりに分類してみたいと思います。
●ウェアラブルデバイス
腕や頭部など身体に装着して利用するデバイスの総称
スマートウォッチ、スマートグラス、フィットネスウェアラブルなどが含まれる
●スマートウォッチ
腕時計タイプのウェアラブルデバイスで、時計の他にスマートフォンなどと連携して通信できることが特徴
(例えば『Galaxy Gear』、『SmartWatch2 SW2』、『Apple Watch』など)
●フィットネスウェアラブル
フィットネスや身体活動、身体状況を計測するウェアラブルデバイス
(例えば『Fitbit』、『Nike+』、『FuelBand』、『歩数計』など)
●ウェアラブルバンド、フィットネスバンド
上記ウェラブルデバイスやフィットネスウェアラブルの腕時計タイプ
このような整理ができるのではないでしょうか。
さて、今回のニュースでは、現在ウェアラブルデバイスで中心的な存在「フィットネスウェアラブル」が、今後は「スマートウォッチ」に変化していくだろうと語られています。
これまでフィットネスウェアラブル、特にフィットネスバンドは、「活動量計以上時計未満」という位置づけだったのが、「スマートウォッチ」では「時計以上スマホ未満」という位置づけになると考えています。
フィットネスバンドの「活動量計以上時計未満」では、「時計」との明確な違いを利用者側も認識し、時計との共存に違和感をあまり感じなかったため、時計の定位置である「手首」の争いは起きていなかった状況でした。
しかし、「スマートウォッチ」では「時計以上スマホ未満」というポジショニングになってくるため、時計の定位置である「手首」の争いが発生してくることは間違いないと思います。
「時計」はファッション的な要素が強い部類の商品です。そのため、「時計以上」の毎日装着するための必然性を持たせることが、重要な課題になります。最終的には「時計以上の価値」は、連携機能を活かしたサービスしかないような気がしています。そのサービスのひとつが「フィットネス」になり得るのかどうか、2015年発売予定の『Apple Watch』の展開で見えてくると思っています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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