『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“視覚障害者向けの顔認識白杖『XploR』開発中、知人を見つけて通知&ナビ”
英国バーミンガムの学生チームが、視覚障害者向けに顔認識機能を搭載した杖 『XploR』 を発表した。
『XploR』は「スマートフォンの顔認識技術」を使い、最大で10メートル先までの知人や親戚などを認識可能。認識したい顔はあらかじめSDカードに画像を収めておく仕組みだ。またGPSとBluetooth通信機能を内蔵しており、知人が見つかった場合はユーザーに知らせ、Bluetoothでイヤホンなどに方向を伝える音声ナビゲーションにも対応している。
開発チームは『XploR』をすでにフランスとルクセンブルクの医療・ヘルスケア企業にプレゼンしており、好意的な反応を得られたとのこと。また視覚障害者団体 Beacon Centre for the Blind でも市場調査を実施し、使いやすさや軽量性などの要求事項について得た知見を元に開発を続けている。開発チームは年内に再び同センターを訪れ、セキュリティ機能や実際に利用するまでのトレーニングついてテストする予定。
記事原稿はこちら(『Engadget Japanese』5月11日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
今回紹介のモバイルヘルスツールは、視覚障害者を支援する杖です。杖にある意味、「目」の役割を与えるのですね。
モバイルヘルスは、実は健常者よりも障害者のサポートツールの方が役立つ幅も広いのでは? と思っています。すでにあるモバイル技術を使うと、視覚、聴覚のサポートはいろいろ検討できるのではないでしょうか。
『XploR』は顔認識機能ですが、交通状況との連動、小型カメラによる障害物の認識など、検討できるものは他にもありそうですね。
この発想は、来たるべき高齢化社会にも活かせます。高齢化により、視覚や聴覚に不安を抱える方は増加します。そこに役立つツールとして今から磨いていくべきでしょう。
改めて「課題の解決視点」を整理してみると、良いのではないでしょうか。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器の研究を行ない、健康ビジネスメディア「ヘルスビズウォッチ」を中心に海外のトレンド情報などを発表している。
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