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『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“『Moov Now』は進化して優しくなった人工知能のパーソナルトレーナー”
運動をするモチベーションを自分だけでは維持できない人のために、Moov社は『Moov Now』をローンチした。同社の人工知能を活用したパーソナルトレーニングを備えたウェアラブルのフィットネストラッカーの第二世代だ。
『Moov Now』はバンド型のウェアラブルで、ユーザーにランニング、サイクリング、水泳、カーディオボクシングとリビングでできる7分間の体を鍛える運動の5つのトレーニングを提供している。
同社は、2014年2月にSelfstarterでキャンペーンをローンチし、2週間で100万ドル以上の事前予約を受けた。最初のMoovデバイスは昨年の秋に出荷され、Amazonや自社ウェブサイトから累計何万個も売り上げた。
Fitbitのように『Moov Now』も毎日の運動と睡眠を計測するが、『Moov Now』は歩数ではなく、3D空間での動きを計測している。このハードウェアは加速度計、傾きを計測するジャイロスコープと動きの方向を探知する磁気計を搭載している。
記事原文はこちら(『TechCrunch Japan』2015年7月17日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、人工知能のパーソナルトレーナーがサポートしてくれるフィットネス・ウェアラブルです。
『Moov Now』に関しては、先日の記事でもご紹介しましたが、AppleやMicrosoft Researchで働いていたエンジニアやデザイナーが集まり開発したことでも話題になっています。
今回、私が注目した点は、人工知能のパーソナルトレーナーがサポートしてくれるアプリサービスの部分です。
人工知能のパーソナルトレーナーは、自動的にユーザーのレベルを設定し、ランニングの場合には、69の異なるレベルと、目標が異なる5つのプログラムが準備されています。
人工知能のパーソナルトレーナーは、基本的にはユーザーのレベルに合わせるようなロジックが組まれているようですが、今回のアプリサービスでは、ユーザーの状況に合わせてコーチングを減らすなど、ユーザーが人工知能のパーソナルトレーナーに合わせるのではなく、人工知能のパーソナルトレーナー側がユーザーに合わせるようにロジックをチューニングをしたようです。
どのように、その日のユーザーの状況を把握してユーザーに合わせてコーチングを行なうのかはわかりませんが、ユーザーが合わせるコーチングから、人工知能のパーソナルトレーナー側がユーザーに合わせるコーチングへシフトさせてきているところは、画期的なことだと思います。
この記事で、Moovのファウンダーのコメントとして「5年後には、運動する時は必らずパーソナルコーチが付くようになるでしょう」と発言しています。これは、最近の米国のヘルスケアサービスで「コーチングサービス」が拡がっている大きな流れに、非常に合っているとコメントだと感じています。
このパーソナルコーチの存在が、人工知能、ICTだけですべて成立するものなのか、それともやっぱり「人」の存在、対応が必要なのかは、これからいろいろなコーチングサービスで見極めていきたいと思います。
どちらにしても、「コーチングサービス」はこれからのヘルスケアサービスでは大注目なテーマであることは確かな事実だと私は考えています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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