『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“「計るだけ」ダイエットの先をいく(?)、「自撮りする」ダイエット”
体重を減らしたいと考えている人は多い。理想の体重に近づくために、頑張ってライフスタイルを変える人もたくさんいる。ただ、そうしたチャレンジにとって、成果がすぐに体感できないということが高いハードルとなることがある。体重の変化は一般に徐々に、ゆっくりとあらわれるものだ。努力の結果が目に見えにくいことに苛立ち、そして未来に向けた努力を諦めてしまう人も多い。そんな人に対して、単純でありながら効果的な支援を提供しようとするのが『Progress』だ。
このアプリケーションの制作者も、やはりフィットネスの成果が目に見えないことに苛立った経験があるのだとのこと。ジムに通っても変化が目に見えず、継続へのモチベーションを失ってしまいがちだったのだと言う。そういう経験を踏まえて、フィットネストレーニングの成果を目に見えるようにするための仕組みが必要だと考えたのだそうだ。
アプリケーションの登場をまたず、「成果が見えない」という問題に自力で対処しようとしている人もいる。すなわち自分の姿を写真におさめて成果を確認しようとしているのだ。しかし写す角度のちょっとした違いなどによって、見える印象が全くことなってしまったりもする。結局、自身の身体にどのような変化が生じたのかがわからなくなってしまうのだ。
記事原文はこちら(『TechCrunch Japan』2016年3月20日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、「自撮りする」ダイエットアプリに関するニュースです。
ダイエットが長続きしない理由のひとつに、頑張っているのに体重がなかなか変化しないというのがあります。
ダイエットに取り組んでいると体重などの客観的なデータに目が行きがちですが、実は頑張ってダイエットに取り組んでいれば、客観的なデータには表れてこないですが、カラダには変化が出てきていたりするものなのです。
今回ご紹介する『Progress』というアプリでは、毎日自撮り写真を撮って15日間記録すると、それまでの写真を組み合わせて、身体の変化具合を示す短いビデオを作ってくれるということで、その中でカラダの変化、成果が確認できるというものです。
アプリを使わずに自撮りの写真を撮るだけでも良いのではと思いますが、この『Progress』というアプリには、前の日と変わらぬ角度で写真を撮ることができるようなガイダンスなど、ちょっとした変化を見つけるられるように工夫がされています。
ダイエットや健康行動の取り組みでは、「変化」にどう気づかせるかというのは、継続率にも関係してきます。特に、客観的な数値の変化には時間が必要であるからこそ、自身ではなかなか気づきにくい主観的なカラダの変化をどのように気づいてもらえるかが重要になってきます。
多くのダイエットサービス、データを中心としたレコーディング系のヘルスケアサービスでは、客観的なデータの「見える化」や「見せる工夫」は提供していますが、変化に「気づかせる」工夫やサポートに踏み込んでいないのが現状で、どちらかというとユーザーが自分で変化を見つける必要があります。
「変化、成果の気づき」がモチベーションに影響していることを考えると、いかに変化、成果を気づかせる仕組みが本来は必要なんだと思います。
「変化、成果の気づき」は利用者の継続率を上げるためには重要な要素になっているので、「見える化」から「気づかせ方」へと一歩踏み込んだサービス提供が求められているような気がしています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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