『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“プレイすると現実世界の量子コンピューター開発を手助けできるゲーム『Quantum Moves』”
デンマークのオーフス大学が量子コンピューターを開発する中で同大学の物理学者たちが直面した量子力学に関する問題を解決するためにスタートしたプロジェクトが「Quantum Moves」です。プロジェクトでは量子計算の最適化問題を計算ではなく「ゲームで解決する」という新しいアプローチをとっており、プレイヤーはゲームを遊ぶことでヤコブ・シアーソン氏が率いる研究チームが行っている最先端の量子力学の研究を手助けすることができます。
なお、ゲーム内でのタスクは「原子を操作もしくは移動させるための賢い方法を見つける」というもので、この紫色の流体をなるべくたくさんエリアの中に運ぶことが、量子力学の研究の中の原子の移動に関する「何か」に役立つということのようです。
ゲーム自体はとても単純ですが、ステージをクリアしていくごとに初期条件が少しずつ難しくなっていくので、想像以上にゲームとしての中毒性もあります。
記事原文はこちら(『Gigazine』2016年4月14日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点
今回は普段と視点を変えて、ヘルスケア以外の情報からヘルスケアビジネス検討に役立つ題材として取り上げました。
『Quantum Moves』はPCとスマホで遊ぶことができるゲームです。今時のゲームと違い、TVゲーム初期にあったような、ちょっと懐かしい感じのものです。Gigazineの記事では、ダウンロード方法からゲームのやり方まで詳しく説明していますので、興味を持った方はお試しください。
今回なぜ注目ニュースとして取り上げたかと言うと、「量子力学の知識が一切なくても、ただゲームをするだけで研究に協力できる」点に、ヘルスケア課題解決のヒントがあると思ったためです。
ポイントは
ゲーム(遊び)をすれば、研究に協力できる(役立つ)
遊び =興味が持てて、やったら楽しい、続けられる
役立つ=無理せず人の役に立つ
の2点です。
人に役立つ観点では、「TABLE FOR TWO」というサービスがあります。ヘルシーな食事をして写真を登録すると、1回につき1円、協賛企業が寄付してくれ、アフリカの学校給食に用いられます。とても良い取り組みですが、意識していないと登録を忘れてしまうことがあります。
健康行動は意識的に生活を変えるなど、レベルの違いはあれど、努力を求められます。辛いと思っている間はなかなか継続していきません。役立つだけではなく、継続するための仕掛けが必要になります。
今回の事例を参考に、どうしたらやり続けてくれるのか? 検討してみるのもありだと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ITヘルスケア学会 モバイルヘルスシンポジウムで講演を行う。
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