『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Novartisに支援されているアプリ、慢性じんましんの患者にソーシャルサポートを提供”
Exco InTouchは、慢性じんましんに特化したソーシャルネットワークを作る新しいアプリをリリースした。『Target My Hives』と呼ばれるこのアプリは、Novartisからの支援と資金で開発された。
Android、iOSの端末で利用可能なこのアプリは、5月にスタートし、現在61ヵ国から登録された2,000人の患者が利用している。ユーザーは、自分のじんましんに関する症状の抑制具合や、原因といった情報を入力でき、同じような症状を持った患者と、匿名で交流を持てる。その時、彼らはFacebookのようなプラットフォームで最新情報を共有し、支援を提供し合う。似た症状を持っている患者は、再発に対処する方法など、じんましんを抱えて生きるための、助言を交換できる。
『Target My Hives』は、患者同士がつながることが主要な目的だが、その症状をモニタリングするツール、近くの専門医を見つけるための探索機能も持っていて、ユーザーを患者支援グループとつなげることができる。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2016年6月20日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点
今回紹介するのは、慢性じんましん患者のためのSNSアプリ『Target My Hives』です。まだスタートしたばかりのため、詳細はわかりませんが、すでに2,000人が登録しているとのことで、順調な滑り出しなのではないでしょうか?
このアプリは、同じ症状を持った人同士が出会え、例えば外出先や、寝ている時など、その状況に合わせてどのような対応をしていくと良いか、知識を共有できます。もうお気づきと思いますが、これは『patients like me』が築き上げた、医師などの専門家からの情報だけでは補えない、経験者だからこその対処法などを共有するHealth2.0のアプローチです。
『Target My Hives』はじんましんに特化し、患者同士だけでなく、医師や支援グループをひとつに結びつけることを目的にしています。このアプリのもっとも重要な点は、患者が積極的に症状を管理するのに役立てることです。長期化する症状とうまく付き合えるよう、ひとりではなく仲間が見守ってくれるものになっています。
『Patients like me』が行なってきた「患者の知識を集める」ことから、1歩踏み込んで「コミュニケーションにより継続させる」サービスとなっています。今後のトレンドになる可能性があります。要注目ですね。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ITヘルスケア学会 モバイルヘルスシンポジウムで講演を行う。
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