脳卒中リハビリテーション支援用にバーチャルリアリティ(VR)に注目した研究は数多くあるが、VRを理学療法(PT)および作業療法(OT)で構成されることの多い従来の療法と直接比較した例はほとんどない。最近、標準治療とVR治療を比較する大規模な無作為化比較試験がNeurology誌に掲載された。
VIRTUES試験(亜急性期脳卒中における上肢のVRトレーニング)と題されたこの試験は、ノルウェー、デンマーク、ベルギーの研究者が、脳卒中リハビリテーションにおいて従来の治療法と非没入型VR治療を比較し、何か違いがあるか、あるとすればそれは何か、を探究したものだ。5ヵ所の異なるリハビリテーション施設で、上肢障害を有する120人の脳卒中生存者(脳卒中後12週以内)を無作為に2群に分けた。各群とも標準的なリハビリテーションを引き続き受けながら、それ以外に受ける治療が従来の上肢治療かVR治療かで異なった。VR治療はYouGrabberハンドセラピーシステムで構成されたものだった。ウェアラブル型センサーグローブがディスプレイモニターとトレーニングソフトウェアに接続されたシステムだ。
両群ともすべての結果測定値において改善を見せ、統計的有意差は見られなかった。サブグループ分析を行った際には、軽度から中等度の衰弱者および重度の衰弱者の両方が同様の改善を示した。同研究の著者は、VR療法は従来の療法と比較して有効性がより高いという結果は出なかったが、少なくとも同等に効果的であり、それによってよりモチベーションが上がると感じるような患者にとっては潜在的な代替治療となりえる、と結論付けた。
記事原文はこちら(『iMedical Apps』2018年2月27日掲載)
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