『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Amazon、声の調子に応じて「咳止めドロップ」を勧めるスマートスピーカー特許取得”
Amazon Technologiesは、スマートスピーカが音声コマンドを受ける際にユーザーの声を解析し、解析結果に応じて求められたものと異なる対応を実行する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間10月9日に「VOICE-BASED DETERMINATION OF PHYSICAL AND EMOTIONAL CHARACTERISTICS OF USERS」(特許番号「US 10,096,319 B1」)として登録された。出願日は2017年3月13日。
この特許は、ユーザーから明示的には求められていないものの、ユーザーが望むであろう動作を先回りして提案する技術を説明したもの。たとえば、ユーザーの声の調子を解析し、咳(せき)混じりだったり、鼻をすすったりしていたら、喉(のど)の具合が悪いと判断して咳止めドロップの注文を提案する、といった具合だ。
記事原文はこちら(『CNET Japan』2018年10月15日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
先月も紹介しましたが、米国ではスマートスピーカーが順調に浸透しています。今回は、Amazonから『Alexa』を活用した新しいアイデアに注目します。
今回の記事では特許取得をしたことを取り上げているもので、実際にサービス化するかは未定です。ただしこのアイデアには注目したい点がいくつかあります。
・ユーザーの体の状態を検知する
体の状態を検知するためのウェアラブルは複数ありますが、声の調子だけで判断するのがユニークです。ユーザーが何かを装着したり、計測されていることを意識することなく使えることで、健康に意識が高くないユーザーにも提供しやすくなります。
・プッシュ型で支援する
現在のスマートスピーカーは、声で操作指示ができるプル型で利用されることがメインとなっています。今回の取り組みでは、体の状態を検知して提案してくれるものになります。この特許では「咳止めドロップの注文を提案」までのようですが、物販に限らずいろいろなバリエーション提案ができるのではないでしょうか。
プッシュ型としては、すでに薬の飲み忘れを支援するようなタイマー機能はスマートスピーカー以前からありますが、体の状態を検知することで、適切なアドバイスをする新たなサービスができるようになります。
もちろん、AIによる学習なくしては適切なアドバイスはできないですが、健康サービスから医療まで、感度の低いユーザーを支援できる可能性を秘めていると思います。
『注目ニュース』:瞑想アプリ『Headspace』、音声対応AIシステムのAlpine.AIを取得
(9月18日掲載)
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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