『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“『Lifesum』がGoogle Assistantで音声で食事記録などが利用可能に”
Google Assistantでスウェーデンの健康管理アプリ『Lifesum』を利用できるようになる。この2つのアプリの統合により、ユーザーはGoogle Assistantに話しかけることで食事、水分摂取量、体重などを記録できるようになる。
プレスリリースによると、ユーザーは「OK Google、『Lifesum』に話しかけて」というだけで、アプリにアクセスできるという。アプリが開いたら、Google Assistantに水分摂取量や食事の量などの情報を伝える。すると、全ての情報が自動的にアプリに入力される。
『Lifesum』はユーザーの目標や生活スタイルに基づき、アドバイスをパーソナライズし、進捗状況のアップデートを要求するようにデザインされている。目標を達成するためには、その日あとどれくらいのカロリーを摂取できるかなど、1日ごとに見ることができる。
また、ユーザーに課題が与えられ、それは普段の食生活から特定の食物を排除するといった簡単なものもあるという。
「人々のライフスタイルはますますペースが速く、忙しくなってきています。そこで私たちはユーザーが声を使うだけで食物や水分摂取量の管理ができる、革新的で時間効率の良いソリューションを提供したいと考えたのです」とLifsum社のCEO兼共同設立者のHenrik Torstensson氏は述べている。「人間というのは、脳のエネルギーや時間を費やすことを避け、現状を維持しようとする傾向が強い生き物です。なので、声をツールにして記録を管理することで、より健康的なライフスタイルに向かうユーザーの道のりを、かなり簡単かつシンプルにできるのです。“Challenge”ではハードルを低くし、ユーザーの手を握って少しずつ上げていくのです。毎日の目標を達成することで得られる満足感は、人々の自信に持続的でポジティブな影響を与え、健康的な行動をさらに増進させます」
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2019年1月3日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
現在、米国を中心にスマートスピーカーの利用が伸びています。特定のアプリを選ぶ(健康行動のために専用アプリをDLする)ことなくGoogle Assistantに話しかけるだけで、健康行動への気づきを得られるのは、取り組みへのハードルがかなり下がるでしょう。
もう1つのポイントとして、入力が大変な食事内容を音声のみで記録できることです。毎食の入力の大変さで三日坊主になりやすかった食事記録が、音声で全てできるのであれば、無理なく続けられる可能性が出てきます。
入力精度が気になるかもしれませんが、精度はAIで学習することで高まっていきます。これはスマートスピーカーを使っている人であれば、すでに気にならない工程となっているはずです。問題は食事の記録を忘れずに行えるように、生活の中で習慣にできるかです。こればかりは機能が便利になっても、食後に記録することを思い出せなければ続けることができません。
『Lifesum』は、利用者の目標や生活スタイルに基づいた課題を与えてくれる機能があります。これがおそらく記録への意識付けになっているのだと思います。ゲーム感覚で食事を意識できるようにすることで、食後や生活1日の成果をゲームの答え合わせ的に確認して楽しめるようにしているのだと思います。
記録精度よりはるかに重要な、継続への意識付けにすでに取り組んでいることが、このサービスの可能性を感じさせる点です。今後どのように進化していくのかチェックしていきたいと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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