『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Level Ex、最新のモバイルゲーム『Cardio Ex』でCME(医師生涯教育)単位獲得”
この数年、デジタルゲーム開発スタジオのLevel Ex社は、複雑な患者症例や技法を医師向けにシミュレーションするいくつかの教育的モバイルゲームを発表してきた。今のところこれらのゲームは呼吸器科、気道挿管、麻酔および消化器病学を手がける医師向けに設計されているが、自分の専門分野のゲームを首を長くして待っているファンがいる。
Level ExのCEO・創立者Sam Glassenberg氏は、「一般的に、心臓専門医は非常に技術志向です。実際、(米国の)循環器専門医の4人に1人が当社の他のゲームをプレイしているのです。医師間において需要は非常に高いのですが、そこに応えられるほど開発ペースが追いついていないのです。それこそ当社が『Cardio Ex』を開発した理由のひとつです」と語った。
『Cardio Ex』は、現在App Storeで無料ダウンロードできるようになった(そしてGoogle Playにもまもなく登場予定)。このゲームでは、循環器専門医に向けて知識や空間的推論、素早い意思決定の力を試すよう設計された35のレベルを提供している。そして、プレイヤーが各パズルを早く完成させ、高い評価を受けると、医師生涯教育(CME)の単位をアプリから直接獲得できる。
Glassenberg氏は、「それぞれの専門科目にその科特有の非常に面白く、チャレンジングな症例があります。そこには時間をかけて専門家になるために修得すべき様々なスキルがあります。当社が行っているのは、それらのチャレンジを捉え、それらのスキルを医師たちの限界まで挑戦するゲームプレイを構築することです。例えば『Cardio Ex』では、医師により提示された実際の症例から始め、それらをプレイヤーの空間的推論や意思決定の力を鍛えるような、非常に興味深く現実感のある症例へと仕立てるのです。これらのスキルは医師が実践のなかで修得していくものです」と語った。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2019年3月14日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
私が紹介した前回の記事(3月18日配信)で、患者向けのデジタルゲーム治療として、Akili Interactive Labsが提供する『AKL-T01』、『AKL-T02』について紹介しました。今回は医師向けのデジタルゲームです!
Level Ex社は、医師の専門性に合わせたカリキュラムをデジタルゲームとして提供しています。極端な言い方ですが
“医師はスマホゲームで遊んでいたら専門知識がアップデートされる”
というものです。どうでしょう? なんとも夢のようなツール(コンテンツ)が登場したではないでしょうか!?
記事では、まだいくつかの専門科にしか対応していないようですが、専門科以外の医師が何千人も利用していることからも、単に学習コンテンツをゲームっぽくしただけではなく、ゲーム自体にも魅力があることが想定されます。そうでなければ、ただでさえ忙しい医師が超メジャー級でもないゲームを率先してやるとは考えにくいのです。
医師でない私が、このゲームをやってみても魅力を理解することができないでしょう。すでに呼吸器、気道挿管、麻酔、消化器、循環器に関するゲームが用意されているので、もし読者の中に医師の方がいらっしゃいましたら、チャレンジしていただき、ぜひ感想など共有させてください!
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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