『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“調査:Facebookが将来健康のためのデジタルエントリーポイントになる可能性”
テクノロジー業界の巨大企業であるFacebook、Amazon、Microsoft、Google、そしてAppleの各社は、かなり前から、へルスケア業界でも急速に注目を集めている。CB Insightsの最新レポートでは、テクノロジー巨大企業の現状と予測される次の動きについて詳しく報告されている。
まずFacebookについて、レポートでは膨大な範囲のユーザーデータと人々の行動の分析ができることに着目している。また、ソーシャルメディアが患者ケアのアクセス手段として使われる可能性についても検討している。
「WhatsApp、Facebook Messenger、Groups couldなどは、特に発展途上国におけるヘルスケアサービスへの最初のデジタルエントリーポイントになり得る。例えば、インドでWhatsAppは毎日アプリを使用しているユーザー数(DAU)が2億を誇り、最近では銀行業のライセンスが付与され、今後の展開の可能性が示されている」とレポートの著者は述べている。
レポートではFacebookをTencentの「WeChat」になぞらえている。「WeChat」は現在、AIベースの自己重症度判定から医療機関を訪れるスケジューリングにまで使われている。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2020年5月27日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
IT業界を代表する巨大企業におけるヘルスケアでの動向や、今後の予測などが報告されました。このレポートにおけるヘルスケアとは、医療も含めた広義なものになります。
上記記事では記事冒頭のFacebookだけを掲載しましたが、原文ではAmazon、Microsoft、Google、Appleに関しても報告していますので、ご一読いただくとよいと思います。
ここに取り上げられた各社は、いずれも膨大な顧客基盤を持っています。つまり多くの患者にアクセルできる可能性があると言うことです。Facebookだけで16億ものユーザーとつながることができます。
ヘルスケアビジネスをITを使って展開しようとするとき、プラットフォームを目指す話しが毎年出てきます。基盤を開発し、自分たちは顧客データを管理するというものです。そして多くはリリースに至らずプロジェクトが終了するか、リリースできても、数年で閉鎖するケースが多いです。
それはなぜか?と言うと、多くのユーザーにプラットフォームに来てもらう理由を作れなかったためです。健康情報の入力ができるだけでは、その必要性を実感している極一部のユーザーしか、継続利用には至らないのです。
対してFAMGA各社のユーザーは、すでにそれぞれのプラットフォームにいく理由があります。毎日いくついでに健康情報に接することもできるのです。
ヘルスケアビジネスを検討するとき、提供者としてできること、やりたいことで考えてしまいやすいですが、まずは現状を分析し、ユーザー視点で価値化できるポイントを見極めることが重要になります。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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