『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。27
今回注目したニュースはこちら!
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“Alexaオーナーが高齢家族の様子をモニタリングできる『Care Hub』”
Amazonは、「Alexa」デバイスを高齢者のためにより役立つものにする機能を発表した。Alexaモバイルアプリに追加されたオプションの『Care Hub』のローンチにより、ユーザーは相手の許可を得た上で、老親や愛する家族に関する一般的な活動情報を得たり、助けを呼んでいるときにその通知を受け取ることができるようになる。
同社が説明する「Care Hub」の背後にある考え方は、高齢者の家族の健康的な生活を心配する他の家族に対して、安心を提供すると同時に、高齢者の家族自身にもある程度の独立性を確保できるようにするということだ。
アクティビティがない場合や、一日の中でデバイスとの最初の対話が発生した時刻に通知するように、設定することができる。
そして高齢家族が助けを求めたい場合には、緊急連絡先として指定された家族は、Care Hubの知らせを受けて訪問したり、緊急サービスに連絡することができる。
記事原文はこちら(『TechCrunch』2020年11月12日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
“Amazonが処方薬オンライン注文・配達サービス『Amazon Pharmacy』を米国でスタート”
処方薬配達サービスのPillpackを7億5,300万ドル(約785億円)で買収して2年と少し経つが、Amazonはとうとう『Amazon Pharmacy』を立ち上げた。モバイルからの処方薬オンライン注文を受け付けて発送するサービスだ。
しっかりとしたプロフィールの薬局を使い、顧客はAmazonのサービスを通じて保険情報の追加や処方箋の管理、支払い方法の選択などができる。同社は幅広いヘルスケアサービスにしようと取り組んでいる最中でもあり、アイテムを販売するだけでなく、ユーザーにAmazonのポータルで「セルフサービスヘルプ」を提供する。
ユーザーはまた電話で薬剤師にアドバイスを求めることもできる。「フレンドリーで知識豊富な薬剤師が365日24時間いつでも薬についての質問に答えます」と説明にある。
『Amazon Pharmacy』 はさしあたって米国でのみの展開のようだが、グローバルでもチャンスはある。オンライン薬局サービスは2025年までに世界で売上高1310億ドル(約14兆円)に達すると予想されている。一方、処方薬のマーケット規模は2020年に9040億ドル(約94兆円)となり、2025年までに1兆3000億ドル(約135兆円)近くまで成長すると推定されている。
記事原文はこちら(『TechCrunch』2020年11月18日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回はAmazonのヘルスケアに関する取組みを紹介するニュースを2つご紹介しました。高齢者サポート、処方薬オンライン販売に関するものでした。
少し前にもヘルスケアに関するものとして9月7日の注目ニュースで『Halo』という健康予防支援のプログラムがスタートすることも掲載しました。
『mHealth Watch』注目ニュース:Amazon、手首装着型アクティビティトラッカー『Halo』を発表
この3記事を見るだけでも、かなり広範囲からのヘルスケア展開がされているのがわかります。
Amazonは以前からヘルスケアに包括的アプローチしてきました。Alexa展開後はNHSと提携し、患者の質問に回答する仕組みを用意したり、特定の疾患をサポートするコンテンツを提供してきました。また従業員向けのサービスとして『Amazon Care』もスタートしました。
オンラインだけの展開にも留まりません。Whole Foodsをはじめ多くのグローサリー企業を買収し傘下におき、食品や医薬品の提供が行っています。
Amazonはどこかを尖らせるのではなく、ユーザーが求めるいつでも自宅で便利に利用できるAmazonでの買い物などの体験をヘルスケアでも提供していくようです。
これからヘルスケアビジネスを考えるとき、このようなAmazonの取組みに真っ向勝負をしていこうにも、通常は顧客基盤が違うので現実味がありません。
これからはさらなる専門性での差別化が求められると言えるでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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