『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Mayo ClinicとKaiser Permanente、在宅重症ケアと回復サービスに投資へ”
Mayo ClinicとKaiser Permanenteは、ボストンを拠点とするテクノロジー企業のMedically Home Groupに出資している。この企業は重症ケアと回復サービスを患者が自宅で受けられるようにする仕組みを提供するものだ。
Forbesによると、合わせて1憶ドルと報じられたMedically Home Groupへの出資でパートナーシップが始まる予定だ。
Mayo ClinicとKaiser Permanenteの双方が現在Medically Home Groupのケア提供モデルを使用しており、自宅でのケアの需要が高まっている今、他のヘルスシステムやケア提供業者らにもこのモデルを採用してサービス能力を拡張することを推奨している。
ヘルスシステムでは、アメリカ中の患者が同様のサービスを受ける上で規制面と法律面での障害が生じていると報告されている。
Medically Home Groupのバーチャルおよび直接ケアの提供モデルで鍵となるのは、自宅でのモニタリングと安全なシステム技術、医療関係者が常駐する24時間の医療コントロールセンター、個人ケアを提供するコミュニティでの統合ケアチームだ。ケアデリバリーは患者の健康状態の電子データと統合している。
Medically Home Groupのテクノロジーとサービスプラットフォームにより、ケア提供業者は、病院で治療されるのが一般的な急性の様々な症状を扱えるようになる。これには一般的な感染症や持病、救急医療、がん治療、輸血、そしてCOVID-19の重症例治療も含まれる。
実証された結果の1つとしてMedically Home Groupが発表した報告によると、同社のモデルを利用する患者はケアを受けてから30日後および90日後に再び入院する必要が生じた例が減少した。
「ヘルスケアの将来は、ますます病院の4面の壁の外へと広がっています」とパーマネンテフェデレーションの代表取締役副社長Stephen Parodi博士はコメントした。
「医療の歴史において、このようにポリシー、テクノロジー、文化的変化の提携が、自宅での重症治療のような新しいケアパラダイムを生み出すことを目撃するのはまれです」とMayo Clinic PlatformのJohn Halamka博士がコメントした。「私たちは、革新的で協同的な、知識に基づくプラットフォームのビジネスモデルを使って、現在病院で治療を受けている深刻な、または複合的な病状の重症患者の治療水準を再定義し、患者の健康を一歩先へと進めることができます」
記事原文はこちら(『HEALTHCARE FINANCE 』2021年5月14日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
COVID-19により、我々の生活は大きく変わりました。今まで以上にデジタルの活用が加速する環境にもなりました。その1つがヘルスケアです。
世界中の医療機関の頑張りにより、まだ道半ばではありますが、大きな局面を脱しようとしています。しかし、このようなパンデミックがまた起きたときに、同じような対応をすればいいとは言えません。今回を教訓により強固な体制作りが求められます。
今回取り上げたニュースも、その一環ではないかと思っています。
今まで病院で受けるのが当たり前だったことが、自宅でも提供可能になる。在宅診療の延長かもしれませんが、重症ケアなど、今まで考えもしなかった(考えないようにしていた)領域まで踏み込んできています。すでにチャレンジの次元を超えた取り組みになってきていると思います。
これからはメディカルに限らず、ヘルスケア全般的に視点を変えた、今までの常識を打ち破るチャレンジが新たなスタンダードとして求められていると言えるでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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