『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Hydreight、「看護師向けUber」更新されたアプリをリリース”
人員不足と過度の燃え尽き症候群に嫌気がさした看護師の多くが、病院の仕事を離れている。実際、専門家は、米国のヘルスケア業界は2025年までに210万人の看護師が不足すると予測している。
遠隔医療プラットフォームおよび医療ネットワークの『Hydreight』は2018年に設立された。『Hydreight』を使うことで看護師が自らの上司になり、独立した1099人の請負業者として働けるようにすることで、この問題に対処している。
Hydreight社は、プラットフォーム上の何百人もの看護師がより合理的な経験を持つことができるように、更新されたアプリを導入した。
HydreightのCEOであるShane Madden氏は、このスタートアップのプラットフォームにより、看護師、医療スパ技術者、その他の認可を受けた医療専門家が自分のスケジュールを管理し、病院や従来の医療施設の外でサービスを提供できるようになると述べている。
「このプラットフォームはマーケットプレイスとして運営され、本質的に『看護師のためのUber』として機能し、看護師は患者と直接つながり、どこでもサービスを提供できるようになる」と彼は述べている。
看護師は、『Hydreight』プラットフォームを利用して、点滴、ボトックス、新型コロナウィルス感染症検査などの医療スパ トリートメントのサービスを提供している。これらのサービスは、患者の自宅、ホテル、オフィス、またはその他の適切な場所で提供できるとMadden氏は述べている。
『Hydreight』の医療ネットワークに加入した患者は、(一般的な食品配達アプリと同様に動作する)アプリを使い、医薬品点滴メニューや美容サービスメニューから医療サービスを注文することができる。
『Hydreight』プラットフォームは、医療ディレクターの監督、賠償責任保険、HIPAAに準拠した文書作成、デジタル薬局へのアクセスを提供するとMadden氏は付け加えて述べている。つまり、看護師が自分でビジネスを運営するストレスを感じることなく、働くことを可能としている。
『Hydreight』は現在、全米50州において、医療サービスを提供する688のアカウントを持ち、数万人の患者が同社のアプリを利用している。スタートアップである同社は、各アカウントごとに特色があるため、プラットフォーム上に登録している看護師の正確な人数を言うのは難しいと述べている。アカウントによって、1人の看護師が単独で働いている場合もあれば、1つのアカウントの下に看護師がチームとして参加している場合もあるからである。
昨年、『Hydreight』の看護師の中には、トラベルナースよりも高い賃金を得ているという動画をTikTokに投稿したことで話題になった人もいる。『Hydreight』の看護師は、週に3,500ドルも稼ぐという。トラベルナースの平均月給は9,790ドルで, これは週ではおよそ2,500ドルに相当する。
Madden氏は、『Hydreight』は看護師により多くの自律性と自由を与えるために設立され、同社はこれからも看護師の最大の利益に寄与することに専念していくと述べている。
記事原文はこちら(『MedCity News 』2023年1月4日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
ヘルスケア業界における働き方が大きく変わろうとしています。
今回紹介する『Hydreight』は記事にあるように、看護師がまるでUberのように自由に働けるというものです。
今まで看護師として働くとは、どこかの医療施設に属する(もちろん訪問看護やスポーツ施設専属など病院内勤務以外もあり)必要があったわけですが、『Hydreight』に登録することで、看護師が自分のスケジュールを管理する、フリーランスとしての働き方ができるようになります。
今まで条件が合わず資格はあれど、看護師の仕事を諦めてきた人もいるでしょう。働き方に自由度があることで、家庭との両立がしやすくなり、職場復帰する方も増えるのではないでしょうか。
ただし自由に働くためには、自身が顧客から選ばれなければなりません。専門職だから、看護師だから、つまり国が認める資格を保有しているからと、誰でもよいというものではなく、一個人として明確に選ばれるポイントを表現しなければなりません。
これからのヘルスケアでは、どのようなポジションを担っていたとしても、資格に頼らない専門性、強みを明確に打ち出せるようにすることは必須条件となってくるのではないでしょうか。
今の日本では、このような働き方の実現はまだ先かもしれません。しかし多くのことが凄い早さで変革していっています。ヘルスケアだけが今までのままとはいかないのではないかと思うのです。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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