プライマリーケアサービスへのアクセスの拡大には、ラストワンマイルの課題がある。基本的には、ケア提供者によるケアの供給が限られるなか、広い範囲に散らばる多数の患者へのケア提供をどのように支援すればよいか、という問題だ。その答えは、今世紀で最もインパクトのある技術開発である携帯電話ネットワークを分析すれば明らかになると思う。
ラストワンマイルの問題を完全に克服したヘルスケア企業は存在しないが、近年のデジタルヘルスの進化を通じて得られた教訓のいくつかは、この問題へのアプローチに示唆を与える。
Livongo Healthは、血糖値データを携帯電話ネットワーク経由でクラウドに送信できる技術を開発した。シームレスなデータのやりとりを通じて、健康に関するパーソナライズされた洞察を提供することができ、これにより認定された糖尿病療養指導者(ヘルスコーチ)が急性の健康イベントのリスクが高まっている会員に電話できるようになった。
Livongo Healthでは、健康面の問題があるたびに医師の診察を受ける必要がなくなり、適切な資格を持つ健康指導者からリアルタイムで支援を受け、それ以上の臨床支援が必要になる時期を把握できる。同社はこの原則を高血圧、糖尿病前症、心不全の対応にまで広げ、ラストワンマイルの課題を克服するために携帯電話ネットワークを活用している。
Teladoc Healthでは、電話かビデオ通信経由のテレヘルス(遠隔医療)で医師とやりとりしたいと考えている人たちの存在を把握した。これは、緊急のケアニーズや、処方薬の継続処方、あるいはインフルエンザや風邪への対応等の日常的ケアといった、医師とのやりとりを通じたケアニーズの場合に特に当てはまる。
新型コロナウイルス感染症では、テレヘルスを活用して長期的なケアも提供できること、また継続的なケア提供は信頼関係がすでに確立している場合に最も効果的であることを理解した。実際、2020年にテレヘルスによる診察が急増したとき、その大部分は元々の主治医への受診だった。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2023年4月14日掲載)
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