『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Vori Health、筋骨格ケアプラットフォームに5,300万ドルを調達”
ハイブリッド筋骨格ケアプロバイダーのVori Health社は、シリーズBの資金調達ラウンドで5,300万ドルを調達したと発表した。
Vori Healthは、バーチャルおよび対面での筋骨格ケアを提供している。同社は患者と専門医、ヘルスコーチ、理学療法士、栄養士を結び付けを行う。
利用者は、診断および治療計画、非オピオイド鎮痛剤の処方、仮想理学療法、診断画像指示、術前および術後のサポート、健康的なライフスタイルの指導、さらにセカンドオピニオンを受けることができる。
同社は今回の資金を、Value Based Healthcare(価値に基づくケア)の取り組みを全国規模で拡大するために使う予定だ。
また、リスクの高い会員をターゲットにし、AIテクノロジーと臨床プログラムを強化するために、高度なデータ分析にも投資する予定だ。
「専門医資格を持つ医師、団結したケアチーム、最先端のテクノロジーを統合することで、全国的に優れた成果を達成しています。フォーチュン200企業や全国健康保険協会が当社のプラットフォームを迅速に採用していることは、市場が当社の包括的なソリューションを受け入れる準備ができていることを明確に示しています」と、Vori Healthの共同創設者兼CEOであるRyan Grant博士は声明で述べた。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2025年3月11日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目ニュースでVori Healthを取り上げたのには2つポイントがあります。
1つ目はバーチャル(ハイブリッド)による筋骨格ケアが広がっていることです。現在筋骨格ケアを提供している代表的な企業としてVori Health以外にも、DarioHealth、Hinge Health、Kaia Health、Limber Health、Omada Health、RecoveryOne、Sword Healthなどが挙げられます。
米国における筋骨格ケアは日本でイメージするところの、肩こり腰痛緩和だけに限定されていません。例えば、膝痛の悪化で関節の手術となった場合、一般的に加入している医療保険では治療費が補えず、支払いが高額になってしまうことがあります。そのため、早い段階から予防的処置が効果的と言われています。
このような予防的対策がバーチャルで支援できるようになったことは、経済面、利用促進面からもとても価値があるのです。
もう1つのポイントとして、Value Based Healthcare(価値に基づくケア)に力を入れていることです。米国の医療保険の半数近くがValue Based Healthcareに置き換わってきていますので、その対策との側面もありますが、生活習慣病と同じく筋骨格ケアは、一時的なサポートで改善するものではありませんので、長期的に改善(悪化防止)に繋げられることは、患者にとっても途中離脱を防止できてプラスに働きます。
日本国内においても、肩こり腰痛緩和からさらなる価値につながることは大いにあり得ます。この視点からビジネスを検討するによいタイミングがきたと思います。

『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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