ソフトバンクの法人向けイベント「SoftBank World 2015」が7月30~31日の2日間にわたり開催された。今年も数多くの企業が講演しているが、ひときわ存在感を放っていたのが、IBMが開発を進める人工知能『Watson(ワトソン)』。両日のほとんどの時間帯に、『Watson』のセッションが設けられているほどだ。
『Watson』は、ウェブサイトの情報やSNSへの投稿、IoT端末のセンサ情報など、膨大なデータを分析することで、自然言語で投げかけられた質問の内容を解釈し、根拠に基づいた回答を提示する質問応答システム。人と同じように情報から学び、経験から成長することが特徴で、IBMでは『Watson』を“コグニティブ・コンピューティング”と呼んでいる。
「がん治療」には、2012年から活用されていた。IBMはウェルポイント社とメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのそれぞれと協力し、1年以上かけて『Watson』にがんに関する情報を学習させた。その内容は、60万件以上の医学研究結果、42誌の医学専門誌に記載された200万ページのテキストと臨床試験データ、患者の経過など150万件のがん治療履歴のデータなどで、いまでは数秒でこれらの情報を根拠に、医師に治療法を提案できるまでに進化しているという。
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
Comments are closed.