『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“会員数180万人を超える健康プラットフォームWM(わたしムーヴ)のデータからみる健康調査”
リストバンド型活動量計『ムーヴバンド2』利用者の睡眠時間とBMI値の相関を調査”
~「睡眠時間が短いと太りやすい」傾向が明らかに。秋の睡眠週間にぐっすり睡眠を~
ドコモ・ヘルスケア株式会社は、健康プラットフォーム「WM(わたしムーヴ)®」に蓄積された睡眠時間等のデータに着目し、利用者の実態調査を行いました。
9月3日は、「グッスリ」の語呂合わせから、秋の睡眠の日とされています(春の睡眠の日は、3月18日)。また、この睡眠の日の前後の週となる8月27日~9月10日は、睡眠健康週間とされており、睡眠健康意識を高める期間です。一般的に睡眠不足や生活習慣の乱れにより太りやすくなると言われていることから、ドコモ・ヘルスケアでは、リストバンド型活動量計『ムーヴバンド®2』利用者の睡眠時間とBMI値に相関があるか調査しました。『ムーヴバンド2』は腕に着けるだけで、歩数・移動距離・消費カロリー・睡眠時間・睡眠状態が計測できる活動量計です。
今回の調査では、『ムーヴバンド2』を利用している男女約1,600人(10代~80代)のWMに蓄積された入眠時間および起床時間から算出した睡眠時間と、身長・体重データから算出したBMI値に基づき、傾向を分析しました。
その結果、男性は平均6時間以上8時間未満、女性は平均7時間以上8時間未満の睡眠時間を取っている人のBMI値が最も低いことがわかりました。また、男女ともに、前述の睡眠時間より短い睡眠時間の人は、BMI値がより高く、肥満傾向にあることがわかりました。
プレスリリースはこちら(ドコモ・ヘルスケア株式会社、2015年8月27日発表)
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、会員数180万人を有する健康プラットフォームのデータを活用した調査結果に関してです。ドコモ・ヘルスケアが提供しているリストバンド型活動量計『ムーヴバンド2』利用者のデータを使って、睡眠と肥満との関係や季節と眠りの関係に関して、分析データを公表しています。
今回の調査結果では、これまで言われてきた「睡眠時間と肥満には相関がある」という点や「季節と眠り」の関係が機器データを活用して、客観的に明らかになっています。
さて、このデータを見て「ふ~ん」と言って終わりにするのか、それともこの結果からどんなことを発見して次につなげていくのかが、ヘルスケアサービスを提供する側にとっては重要な視点になってきます。
今回の調査結果の分析データは、ヘルスケアサービスに置き換えてみると、いわば「データの見える化」なのです。しかし、ヘルスケアサービスでは「だからどうすれば良いのか?」といったソリューションの視点を持ったサービス提供が求められます。
現状のウェアラブル機器を使ったヘルスケアサービスでは、「データの見える化」までのサービス提供であって、「だからどうすれば良いのか?」といった部分まで踏み込んだサービスは、まだまだ少ないのが現状です。
今回のニュースは、あくまでの調査結果なので分析データの公開までで良いのですが、実際のヘルスケアサービスに置き換えてみると、機器のデータ「チェック」をもとにした「ソリューション」の提供といった「チェック&ソリューション」の形で提供すべきなのです。
ウェアラブル機器のデータを活かした「チェック&ソリューション」の形は、ヘルスケアサービスの基本形とも言えます。そのため「データの見える化」からもう一歩踏み込んだデータの見方をヘルスケアサービスの提供者は常に意識していく必要がある、と感じています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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