『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“マピオン、位置情報ゲームのノウハウを活用したウォーキングアプリを開発
楽しく歩くことで社員や地域住民を元気に! 販促施策や観光振興を支援するアプリを企業・自治体向けに提供”
株式会社マピオンは、ウォーキングアプリ『aruku&(あるくと)』を11月初旬にリリースします。また、企業や自治体に対しては、本アプリを販促施策や観光振興に活用できる法人向けサービスの提供も開始します。
『aruku&(あるくと)』は、ユーザがスマートフォンを持って歩くだけで地方名産品などのプレゼントがもらえるウォーキングアプリです。スマートフォンの歩数計機能と連動し、一定歩数に到達すると様々なミッションが発生。ミッションをクリアするとプレゼントに応募ができます。歩数や体重も記録でき、通勤や通学、ショッピングなどの日常のウォーキングシーンにおいて楽しく健康管理ができます。iOS向けに展開し、今後はAndroid端末にも対応予定です。
当社では、「Mapion」や「キョリ測」といったサービスで培ってきた地図サービスのノウハウと、位置情報ゲーム「ケータイ国盗り合戦」の運用で培ってきたゲーミフィケーションで人を動かすノウハウを活かし、ウォーキングアプリ『aruku&(あるくと)』を開発しました。
プレスリリースはこちら(株式会社マピオン、2016年10月25日発表)
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、マピオンが開発した位置情報ゲームのノウハウを活用したウォーキングアプリに関するニュースです。
歩数計アプリは数多く提供されていますが、これまではどちらかというとヘルスケア分野を手がけている事業社から「健康」を切り口とした提供が多かった印象ですが、最近ではスマホでのGPSを使った地図やルート検索などの強みを活かした「ウォーキングアプリ」も提供されてきています。
例えば、NAVITIMEが提供しているのが、「ウォーキングNAVITIME-ALKOO-」ですが、今回のマピオンが開発したウォーキングアプリも、これまでの地図サービスのノウハウとを活かしたアプリ、と言えます。
また、マピオンではこれまでにも位置情報ゲームを提供してきたノウハウを今回のウォーキングアプリにも活用して、ゲーミフィケーションの楽しさと利用者をリアルな現地(場所)に集客、送客する機能を今回のウォーキングアプリでも展開しています。
そのため、今回のウォーキングアプリ『aruku&(あるくと)』では、ビジネス的な面から見ると、法人向けの販促・集客・観光振興支援サービスの位置付けが強く、また実際にアプリを使用するユーザーにとっても「健康」という切り口よりも、どちらかというとスタンプラリーや観光といった「楽しさ」がメインに伝わっていくような印象です。
既存の歩数計アプリの多くは「健康」という入り口での提供が多いですが、今回のウォーキングアプリ『aruku&(あるくと)』は「ポケモンGO」と同様に、アプリを楽しむために「歩く」という入口はあくまでも「楽しむ」ことがメインで「結果的に健康へ」ということのように見えてきます。
「健康」をテーマにしたアプリでは、どうしても興味を持って使ってくれる人の幅は狭まってしまいます。やはりより多くの人に使ってもらうためには、入口ははあくまでも「楽しむ」などの別の目的がメインで、「歩くことで結果的に健康へ」へという流れが必要になってきます。
しかし、入り口を別の目的にして機能を提供するには、これまでのヘルスケアサービスの枠の外から考え方やアプローチをしていくことが重要になります。そのためには、やはりヘルスケア領域の外の方々との連携やアプローチが今後は必要になってくると感じています。
ヘルスケアの領域だけの視点ではなく、幅広い視点でのサービス提供、アプローチを探っていくことが、より多くの人に使ってもらえるアプリ、サービスに近づくことなんだと考えます。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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