『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“パーソンズ美術大学とパナソニックがウェルネス分野におけるウェアラブルデバイスの活用について共同プロジェクトを実施”
ニュースクール大学傘下のパーソンズ美術大学とパナソニックは、ウェアラブルデバイスを活用して、ウェルネス分野における新たな顧客体験の創造を目的とした共同のプロジェクトを実施します。
本プロジェクトには、パーソンズ美術大学から工業デザイン、デザイン&テクノロジー、ビジネスデザインマネージメントを専攻する大学生・大学院生が参加し、パナソニックからは、社内分社であるアプライアンス社が新規事業の創出とそれらをリードする人材育成を目的として推進している「Game Changer Catapult(ゲームチェンジャーカタパルト)」の技術者、デザイナーなどが参画して、「睡眠」や「こころの健康」をテーマにウェアラブル機器・サービスの商品化、事業化を目指します。
両者は2016年9月より話し合いをスタートし検討を進めてきましたが、このたび共同プロジェクトとして正式に商品化・事業化に向けたチームを選定しました。
プレスリリースはこちら(パナソニック株式会社、2017年2月17日発表)
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、パナソニックとパーソンズ美術大学の共同プロジェクト関してです。
私はヘルスケアサービスに携わって既に十数年になりますが、比較的ヘルスケアサービスの顔ぶれはあまり大きく変化していない気がしています。またヘルスケアサービスは、ある程度の専門性が必要とされているため、サービスに従事されている方も長年経験されている方も多いような印象です。
ヘルスケアサービスでは、専門性やポイントは抑えることが必要ではありますが、その専門性や経験が逆に新しいサービスの創出の妨げになっていることは否定できません。現状のヘルスケアサービスを見渡してみると、制度などのある種の枠があるので仕方ない部分はありますが、やはり横並びの印象が強く、サービスとして飛び抜けていると言えるのは、まだまだ少ない状況です。
そんな状況のなかで、今回のニュースリリースのパナソニックとパーソンズ美術大学のコラボは、既存のヘルスケアサービスの枠を超えたアイデア、サービスの可能性を秘めているような気がしています。
しかし、これまでにヘルスケア×他業種のコラボの動きはありましたが、軸足がやはりヘルスケアだったので、どうしても枠を越えられていない感じでした。
今回のコラボでは、ヘルスケアの枠、壁を持ち込まずに新しい発想、価値観でヘルスケアサービスを捉えてほしいです。
今回のニュースのようなコラボ、特にヘルスケア主導ではなく、新たな価値を生み出そうとするタッグが今後のヘルスケアサービスを創る上では必要だと思います。無難なヘルスケアサービスのためのコラボではなく、新しい発想、価値を提供するヘルスケアサービスを創り出す枠組みは、ヘルスケアサービス以外とのコラボであって、その際の軸足をヘルスケアから外してアイデアを考えることが必要になってきていると感じています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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